『Fnatic』の Chief Gaming Officer を務めるPatrik “cArn” Sättermon氏が、『Perfect World Shanghai Major 2024』敗退とチームの今後についてインタビューに答えました。
インタビュー動画は、Fnatic Counter-Strike部門の公式SNSにて公開されています。
The Major was tough – it's time to have a chat:
Post-Major thoughts, future changes and how we move forward to be a better FNATIC. pic.twitter.com/2dlPs70BJX— FNATIC CS (@FNATICCS2) December 6, 2024
―― Shanghai Majorの挑戦が終わり、Patrickにチームの状況について質問したいと思います。まずRMR(※メジャー大会予選)を振り返って、チームのパフォーマンスはいかがでしたか?
Fnaticはメジャー敗退となりました。チームが一貫性を持ったプレーが出来ていたか、どのくらい高いレベルでプレーしていたかは、大会を終えて振り返った際に疑問だととらえています。
RMRにおいて、Natus Vincereのような世界最高のチームと対戦して負けた試合では、明らかなグレネードのミスがありました。ピストルラウンドを取ったあとの2ラウンド目で負けましたが、どちらに転んでもおかしくなったと思います。RMR最終戦をオーバータイムで勝利しましたが、最終的なメジャー本戦での結果を考えると、前向きな評価をするのは難しいと思います。
ただ、チームにとっては素晴らしいことだと思っています。コペンハーゲンメジャーで予選落ちした後、今回の上海メジャーへの出場を勝ちとることができました。ただ、Fnaticはさらなる結果を求めています。メジャー出場に満足しているわけではありません。勝ちたいと思っています。
―― メジャー本戦を0勝3敗で終えました。そのパフォーマンスについてはいかがでしょうか?
もちろん残念な結果でした。コペンハーゲン予選が残念な結果に終わった後、上海メジャーに出場できたことはうれしいですが、言うまでもなくもっと勝ちたかったです。上海メジャーの振り返りによって、多くのことが明らかになっていくと思います。オープニングステージで負けたことは、他の試合で負けたことよりも驚きでした。そして、今のチームに望むほどの競争力がないことは、それほど大きな衝撃ではない認識です。
0勝3敗の最下位はとても残念なことで、Fnaticブランドやチームが注いできた努力がこのような結果となることを望んでいません。振り返ってみると、過去18ヶ月においては良い選手の獲得があり、2025年に向けて準備が整っていくと思います。エキサイティングでチャレンジングな年になるでしょう。
ご存じのように、2025年からはイベントの招待権を得るには一定のランキングを確保する必要があります。Valveランキングが重要になり、過去とは全く異なる展開になります。しかしながら、Fnaticにとっては、より良い成績を残し、かつての栄光を取り戻すチャンスであるととらえています。ただ、まだその状況には至っていません。明らかな変化が必要です。これからに向けて期待しているというのが、現在のFnaticの状況です。
―― メジャー後の振り返りはどのようなものになるのでしょうか?どんな要素が含まれるのかお聞きすることはできますか?
Fnaticが関わる全タイトルにおいて、常にシーンに存在し、良いメンバーを探しているということを強調したいと思います。これは、Fnaticに迎えるすべてのプレイヤー・スタッフに対する誓約で、常に変化があるということです。問題はそれがいつかという正確なタイミングなどです。最終的には、毎年6月、12月頃というメジャーの開催スケジュールを元に調整していくことになるでしょう。
Fnaticはデータを活用してアウトリーチしています。組織内では頻繁に話し合いをしています。Counter-Strikeについては常に議論していますし、他のタイトルについても同様です。すべてのプレイヤー、スタッフと面談を行ない、それまでの活動、現状、そして将来についてどう感じているかを振り返ってもらっています。
そういったミーティングに多くの時間を費やし、スプレッドシートで多くの作業をおこない、他のチームに連絡して交渉を行ない、Fnaticはどこに向かっているのか、将来的にどのような選手が参加するのかなどの計画を立てています。
スポーツのバックグラウンドがあり、Counter-Strikeを愛しているので、このような時期は最もワクワクする時期の1つです。サーバーで起きていることも本当に大好きです。実際に、とてもエキサイティングなことです。
自分たちは目指すところに来ることが出来たか、そうではないか、次にどう進んで行くかとなった時に、この世界にはたくさんのエキサイティングな才能を持つ人たちがいます。より強力で、時間の経過と共に成長していくすばらしいチームを作り上げていきたいと考えています。現在の組織形態・選手での構成は、終着点に近づいている状態といえるでしょう。
―― 選手・スタッフの変更について具体的に教えていただけますか?たくさん知りたいことがありますが、どのような計画になるでしょうか?
選手やスタッフたちが中国から戻ってきて数日なので、誰を獲得しどのような改革を実施するか、具体的な名前を挙げていくのは時期尚早です。しかしながら、マネジメントだけでなく、選手やコーチ陣にも変化が必要だと感じています。
変更についてより詳しくお話すると、さきほども言ったように、とてもワクワクしています。すべてを適切に実行できるかはわかりませんし、一度に完全な構成を作り上げることはできないかもしれませんが、チームに起きているいくつかの根本的な問題に対処する必要があると考えています。試合中の協力・連携、戦略的ビジョン、一貫性、火力アップなどです。
考えたり話し合うべきことはたくさんあります。タイムライン的にはクリスマス休暇などもあり、来年の初めには仕事に戻っていくことになるでしょう。これから、たくさんの仕事が待っています。
―― 最後に、Fnaticの課題や2025年に向けた目標などについて教えていただけますか?
非常に野心的な気持ちです。これまでの取り組み、プロセスなどを振り返ってみると、数年、いや、数年以上経ってすばらしいとは言えない状況が続いています。Fnaticは、長い歴史を持つブランドでありこれは避けられないことです。
Fnaticは起業家精神と共に設立され、初期における最高のeスポーツタイトルに参入、特にLeague of LegendsがもたらしたMOBAの波、そしてもちろんCounter-Strikeによって、Fnaticはeスポーツの最高峰に到達することができました。しかし、いまのFnaticはそこからはほど遠い存在といえます。
Fnaticは数年前からインターナショナルチームとして展開しています。この数年、様々な多くの違ったやり方をしてきました。Fnaticは最高レベルでの競技に加わりたいと思っていました。この数年間は、それが課題でした。
FnaticはESL Pro Leagueのパートナーチームの1つであり、Louvre協定に参加していました。それが何らかの形でチームに影響を与えていたと思います。それがなければ、この数年間で違った形の取り組みが出来たかもしれません。しかし、これからは仕組みが変わり、すべてがオープンとなり、ある意味基本に立ち返ることになります。パートナーチームだったチームにとっては恐ろしいことです。なぜなら、いまはもう、以前のようにプロリーグの出場枠を持っていないのですから。
2024年シーズンは別として、これまでESL Pro Leagueでは良いプレーが出来ていたと感じています。課題をクリアし、マネジメント、コーチ、選手に関して抱えている根本的な課題を解決出来れば、Fnaticブランドを取り戻すためにこれ以上のないチャンスとなるでしょう。
―― 最後に、ファンのみなさんにメッセージをいただけますか?
私はメディアに対してあまり多くを語らないつもりです。0勝3敗でのメジャー敗退は、もちろん非常に残念な結果でした。選手達自身も、そう思っていることでしょう。選手・コーチ・マネジメントは、メジャーのために懸命に取り組みをしてくれました。
2ヶ月近く、仕事・練習・準備、困難なRMRの突破を目指してきました。RMRではすばらしい試合をしてくれたと思います。ゲームの質的な話においては、最高とは言えない試合もありましたが…。メジャー進出がかかったNukeでのオーバータイムは、人生でこれ以上ない緊張感で観戦しました。選手達がどのような感情でプレーしていたかは想像もできません。そして、Fnaticにとってメジャーへの復帰決定は非常に大きな瞬間でした。
12月となり、苦い思いをしながらシーズンを終えることになりました。これまでのような良いプレーをすることができませんでした。ファンのみなさんの応援に感謝しています。2025年は、みなさんのためにもっと頑張らなくてはなりません。ありがとうございました。