『Dota 2』大型アップデートとなる「7.36ゲームプレイパッチ」が5月23日にリリースされ、その当日、当たり前のように最新パッチで大規模大会が進行されたことを紹介します。
「7.36ゲームプレイパッチ」では、ゲームに登場する全124体のヒーローに変更が行なわれました。
生まれつきの能力というような意味となる、各ヒーロー固有の「Innate Abilities」が設定されました。
さらに、ヒーローの特徴を2つから選択してカスタマイズできる「Hero Facets」という要素も追加されました。
これだけで372個(124ヒーロー×3要素)の変更になります。
各ヒーローにはこれ以外のアビリティやステータスの調整も入ったほか、アイテム18個の変更、ゲームプレーに関係するアップデートも実施されたのが、「7.36ゲームプレイパッチ」です。
5月20日より、賞金総額100万ドルの大型大会『DreamLeague Season 23』が開催されています。
大会3日目までは「7.35d」で進行され、4日目は当日にリリースされた「7.36」パッチで実施になりました。
選手・キャスター・大会運営者はこれまでと全く異なるゲームに、その日からいきなり対応しなければなりませんでした。
キャラクター性能やゲーム性が全く別物になっているので、各チームがこれまでに行なってきた練習や、準備してきた戦略はDay4から全く役に立たないものとなりました。
#DreamLeague Playoffs are gonna be WILD!! pic.twitter.com/pjMSVig9wz
— ESL Dota2 (@ESLDota2) May 23, 2024
キャスター陣は初見のアビリティーをいきなり実況・解説しなければならないケースもあったでしょう。
大会運営側も、どのようなバグがあるのかもわからない突如の最新パッチで試合を進行しなくてはなりません。
『Dota 2』において、大型アップデートが突如としてリリースされ、最新パッチで大規模大会が進行されるのは今回が初めてではありません。
2023年は、メジャー大会や公式世界大会の直前で最新パッチがリリースされ、そのまま最新パッチ適用で大会が行なわれました。
eスポーツでは、「プレイヤーファースト」や「公平性」が大切な要素として挙げられますが、そのようなものをものともせずに実施されるのが『Dota 2』eスポーツです。
他のゲームタイトルだったら選手・チーム関係者・ファンが激怒するレベルですが、「これがDota 2なんだよな」というようなコメントを目にするほど、どんな理不尽なことがあっても耐える耐性を持っているのが『Dota 2』というゲームのファン達です。
本気で怒る選手やチーム関係者もいますし、これが正しく当たり前とは思いませんが、「これがDota 2なんだよな」というのが、自分でも一番しっくりきている感覚です。
突如として大規模な変更が行なわれた『DreamLeague Season 23』Day4のオープニングトークでは、以下のようなやりとりが行なわれていました。
Slacks 「今日は1年で最もすばらしい日です!eスポーツの世界、特にDota 2 eスポーツには2種類の怠け者がいます。プレイヤーとキャスターです」
ODPixel「プレイヤーとValveというのかと思ったよ」
※Valve = Dota 2の開発元
Slacks 「www Valve!Valveとキャスター。年に1度だけ(怠け者の)彼らが仕事をする日があるんですね。この2人(ODPixelとFogged)は、自分たちが何を見ているか全くわからないような試合を実況解説しなければなりません。プレイヤーたちは、アップデートでゲームに何が起きたのかを理解するために9ヶ月ぶりに仕事をしなくてはならないのですから、今日はなんてすばらしい日なんでしょうか!」