ドイツを拠点とするeスポーツ組織『Sprout Esports』が、2024年3月25日を持って事業を停止すると発表しました。
「Sprout」は名詞だと「新芽」、動詞だと「発芽する、芽を出す」という意味を持ちます。
2017年に設立され、成長・チームスピリット・持続可能性を意識しながら「Sprout」というチーム名の通り、才能の育成に力を入れた展開を行なってきました。
『Sprout Esports』は、『Counter-Strike』シリーズで最高峰となるメジャー大会『ELEAGUE Major Boston 2018』『Intel Extreme Masters Rio Major 2022』に出場し、国際的にも名の知れたチームです。
現在のビジネスモデルでチームを継続していくことが難しくなり、事業停止を選択するという結果になりました。
『Counter-Strike 2』『PUBG』『Trackmania』『Sim Racing』部門があり、異なる座組で展開している『Sim Racing』を除いた全事業が終了となっています。
2024年に入ってからは、Counter-Strike部門の停止や、チームの運営終了のニュースが多くなっています。
— Sprout (@sproutGG) March 25, 2024
来年度に向けた準備を終えたところで、本年度の活動が短縮されることを知らされました。戦略を再検討した結果、Sproutの将来について決定を下さなければならないことが明らかになりました。
現在のビジネスモデルでは、必要とされる持続的で健全な成長を確保していくことが不可能と判断しました。Sproutの歴史を振り返ると、新たな才能を失うことに関する課題を抱えながら、アクティブロスターを頻繁に再構築し、チームとして進化していく貴重な機会を何度も失ってきました。
インセンティブを増やすことで成功の可能性を高める代替戦略を検討しましたが、このモデルは考えるよりもリスクが高まることがわかりました。私たちが確立したアプローチから大きく逸脱するモデルを採用することは、リスクが高すぎると判断しました。
才能を育成してチームを構築するという私たちのモデルは、大きく権威ある舞台でプレーすることに挑戦できる状態でなければ、財政的に持続することは不可能であるとの結論に達しました。そして、発展を続けるeスポーツシーンにおいて、そのような大舞台に到達することはますます難しくなってきていることが証明されています。
今回、最後のお別れを告げる決定をしたことは非常に重く心にのしかかっています。これまでの旅はエキサイティングで、決して忘れることができないものでした。応援していただいたファンの皆さん1人1人のおかげです。確かなことは1つです。あなたがいなければ、これまでのSproutはありませんでした。
情熱と共に献身的に取り組んだ6年間を振り返ります。ドイツのチャンピオンシップを7回獲得し、忘れることができないカトヴィツェ、ダラス、ケルンにおける大型大会に出場、Counter-Strikeで最も権威のあるメジャー大会「ELEAGUE Major Boston 2018」「Intel Extreme Masters Rio Major 2022」でピークを迎え、eスポーツにおける勇気の殿堂に刻み込まれました。それだけではなく、私たちの感謝の気持ちはインフルエンサー、コンテンツクリエイター、ストリーマー、パートナー、スポンサー、これまで共に取り組んだ全ての部門の選手や才能にもおよびます。
Sprout Esportsの最後のページをめくる時、Sprout Esportsがまいた種は、チームのユニフォームを着てくれた多くの献身的な選手たちの中で生き続けてくれるでしょう。
これまで成長の可能性を提供してきた多くの才能ある人材たちが、限界を超えて競技シーンで活躍することが、私たちに誇りを与えてくれるのは言うまでもありません。そんな人材達が、Sproutのレガシーを継承し続けてくれると思います。
「全ての良い事には終わりがある」と言いますが、まさに今、私たちはその状態です。新たな芽が育つ肥えた土地を残すために、新たな苗を植える場所を作り上げています。Sproutが別の取り組みとしてサポートしているシムレーシングチームを除き、全ての活動は本日で終了となります。
選手やスタッフは、契約基づく責務から即座に開放されます。新たな所属先が一刻も早く見つかることを願うと共に、将来の成功を祈るばかりです。植物が枯れてしまったところで、また新たな植物が育ち、より明るく美しく成長することでしょう。最後になりますが、もう一度だけ #GrowSprout を聞かせて下さい。
『Into The Breach』Counter-Strike競技シーンから一時撤退、2024年末のメジャー大会に向けてチームを再構築