プロゲーマー・ネモ選手の著書『思い込む力 やっと「好きなこと」を仕事にできた』を読ませていただきました。
本書は、2022年の年末に開催された「esportsオーナー会2022」の配信現場にて、ネモ選手のマネージャーさんにいただいたものとなります。
「PR」表記を付けるべきなのか悩みましたが、紹介料が発生しているわけではないので、タイトルには「PR」ではなく「献本」と表記しています。
ネモ選手は、会社員とプロゲーマーの二刀流「兼業プロゲーマー」という新たな取り組み方を切り拓いた、第一人者として知られています。
現在ではフルタイムのプロゲーマーに転身し、「Saishunkan Sol 熊本」の一員として「
ストリートファイターリーグ」に出場するなどの選手活動をしながら、eスポーツのコンサルティングにも乗り出すなど活動の幅を広げています。本書を通じてコンサルティングとして「Saishunkan Sol 熊本」の運営にも関与しているのを知り、非常に驚きました。
自分も、会社員をしながらこのサイトを運営したりeスポーツに関わる活動をしています。そのため、ネモ選手が「会社員」「兼業プロゲーマー」「専業プロゲーマー」としてキャリアを変えていく決断、考え方、手法はかなり興味深く読みました。
会社員としてキャリアを積んでいくと、重要なプロジェクトをまかされたり、部下が付いたりと仕事にフォーカスするためゲームを続けることを諦めなければならないという状況に直面する場合があります。その際の判断は人それぞれですが、ネモ選手に「ゲームをやめる」という選択肢は全くありませんでした。
その時に出した答えが「兼業プロゲーマー」という新たな取り組み方法です。日本ではほぼ前例が無かったかとおもいますが、スポーツや海外eスポーツの事例などを参考に「自分なら出来る」という「思い込む力」で道を切り拓き、「兼業プロゲーマー」を実現させました。上司を説得し、会社の就業規則を確認するというようなフローは、会社員ならではの要素で、確かにそうだよねと思わされた部分でした。
「専業プロゲーマー」に転身する決断を下した後には、所属チームが格闘ゲームから撤退しスポンサーを失う、さらにはコロナ禍という手痛いコンボをくらってしまいゲージ残り僅かというような厳しい状況に追い込まれますが、ここからも「思い込む力」で状況を打開していくことになります。このあたりは、ぜひご自身で本書を読んでいただきたいと思います。
「思い込む力」に加えて、ネモ選手が厳しい状況を乗りこえるきっかけを作ってくれた仲間の存在、ゲームを通じて作り上げてきた「人とのつながり」が大きかったように感じました。
ネモ選手のSNSを拝見していると、Team Liquid時代は竹内ジョン選手、現在はひぐち選手などの若手ゲーマーの存在を押し上げるような投稿をよくされていて、自分が先輩や仲間たちに受けた支援を、後輩たちに向けて返しているような印象を受けます。
本書に記されたネモ選手の考え方や行動は、プロゲーマーを目指しているが悩んでいるような方、自分のように会社員をしながら好きなことで活動している人にとっても参考となるはずです。
目次
はじめに
1章 ついに「ゲーム」は「仕事」になった
2章 気付いたら“強豪”になっていた
3章 動き始めた“兼業”プロゲーマーへの道
4章 プロゲーマーと仕事、両立の日々
5章 ゲームで見つけた「強くなる方法」
6章 「好きなこと」を続けるためにずっと考えてきた
おわりに