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「Tundra Esports」が脅威の強さで優勝、Dota 2公式世界大会『The International 2022』、賞金総額の最高記録更新ならず

Dota 2公式世界大会『The International 2022』グランドファイナルで、「Tundra Esports」が「Team Secret」を3-0のストレートで下し優勝となりました。

グランドファイナル

「Tundra Esports」はグループステージ1位通過、メインイベントはUpperブラケットからグランドファイナルに勝ち上がっての優勝と、その強さを見せつける結果となりました。

「Team Secret」はラストチャンス予選から勝ち上がり、メインイベントではLowerブラケットから這い上がってきましたが、惜しくも優勝には手が届きませんでした。

試合において、「Tundra Esports」はヒーロー構成とその強みを活かしたプレーで「Team Secret」を圧倒し、見ているだけでも「これは勝てない」と思ってしまうような見事な試合運びをみせていました。

優勝した「Tundra Esports」は、2022年世界王者の名誉と優勝賞金「$8,489,505(約12.5億円, $1=147.45円)」を獲得しました。

今回、選手全員が『The International』のタイトルを初獲得になります。

Aui_2000コーチは選手時代に『The International 2015』で優勝しており、選手とコーチで『The International』を制覇という実績を残しました。

順位

順位チーム賞金
1位Tundra Esports$8,492,444
2位Team Secret$2,453,413
3位Team Liquid$1,698,534
4位Team Aster$1,132,318
5-6位PSG.LGD$660,491
5-6位Thunder Awaken$660,491
7-8位beastcoast$471,827
7-8位OG$471,827
9-12位Evil Geniuses$377,439
9-12位BOOM Esports$377,439
9-12位Gaimin Gladiators$377,439
9-12位Entity$377,439
13-16位Hokori$283,052
13-16位Team Spirit$283,052
13-16位Fnatic$283,052
13-16位Royal Never Give Up$283,052
17-18位Soniqs$47,082
17-18位Talon Esports$47,082
19-20位BetBoom Team$47,082
19-20位TSM$47,082

配信アーカイブ

試合データ

試合内容メモ

ゲーム1

ゲーム1は、Tundra Esportsが最終的に約47000ゴールドをリードしての圧倒的な勝利となりました。

Team Secretのマジックダメージが主体となるチーム構成に対し、Tundra EsportsはTidehunterをピックしたオフレーンの33選手が、マジックダメージ耐性を高めるPipe of Insight、Mage Slayerを早々に完成させフロントラインが崩れない体制を作り上げました。

そこにskiter選手のNaga Sirenの強烈なレーンプッシュが加わり、Team Secretは自由に動けるスペースを奪われ不利なゲーム展開を強いられる形となりました。

Team Secretは育ったTidehunterに対してスキルをオールインしても倒す事が出来ず、この繰り返しで集団性をTundra Esportsが制し、ゲーム1はTundra Esportsが完全勝利とも言える形で獲得しました。

硬すぎるTidehunter
https://clips.twitch.tv/SucculentAuspiciousHorseradishDendiFace-AuVEmhk2P6VJvLDb

ゲーム2

ゲーム2はTeam Secretが中盤頃まで優勢なゲーム展開でした。

後半になるとTundra EsportsのArc WardenがGleipnirとScythe of Vyseのコンボで大ダメージを出しキルを量産、Chaos Knightもスキルが入ればキル確定とすさまじい圧力を出す状態となりました。

Arc WardenのGleipnir&Scythe of Vyseコンボ
https://clips.twitch.tv/TubularCoySandwichDoggo-v2uegAhWjvnlq9M1

Team SecretはオフレーンがLeshrac、キャリーがBristlebackという構成で、Tundra Esportsのプッシュを前線で押さえることが難しく、このゲームも押し込まれて決着という結果を迎えました。

Tundra Esportsのとんでもない圧力
https://clips.twitch.tv/ProductiveBoringOcelotTheRinger-y1ILFgki6xPIUnX1

Tundra Esportsは2ゲーム連取で、チャンピオン獲得に王手を掛けました。

ゲーム3

ゲーム3は試合が巻き戻るなどかなり配信がかなり不安定な状態でした。
中盤まではお互いが壮絶な殴り合いをするような流れでしたが、後半になると試合は完全にTundra Esportsペースとなりました。

Miranaの透明になるアルティメットからの奇襲、Tinyのジャンプインからのスキルコンボによるキル、Pangolierのアルティメットで敵を動けなくしてからのキル、MedusaとBeastmasterの強力なプッシュ・ダメージと、構成の強みを完全に活かしたこれぞDotaというような圧巻のプレーでTeam Secretを圧倒しました。

Tundra Esportチームの強みを活かしたチームファイト
https://clips.twitch.tv/CredulousGrotesqueLegEagleEye-5sw_Zid6pB8Bj07D

Tundra Esports、Aegis獲得
https://clips.twitch.tv/CarelessKathishRadishGivePLZ-0Crj6ibOr3HVYZCm

Puppey 最年長での世界大会優勝ならず

Team Secretのキャプテン Clement “Puppey” Ivanov選手は2011年の第1回大会世界王者、2013年は準優勝で、今回の決勝進出は9年ぶりとなります。

現在は32歳と競技プレイヤーの中では最年長であり、初代王者が最年長でのタイトル獲得になるかと期待がかかっていましたが、残念ながら王者の称号Aegisには手が届きませんでした。

The International 2022

eスポーツ最高賞金総額の記録更新ならず

Dota 2世界大会『The International』は基本賞金総額160万ドル、大会関連のゲーム内アイテムが購入されるたびにその25%が賞金総額に配分される仕組みを採用しています。

この結果、Dota 2はeスポーツシーンにおける最高賞金総額を毎年更新しており、2021年は「$40,018,195」(約59億円, $1=147.45円)でした。

2022年は「$18,872,091」(約27億円)と、高額である事は間違いありませんが、これまでの記録をさらに更新する結果とはなりませんでした。

2022年の賞金総額は、大会史上6番目となります。

  • 1位(2021年) $40,018,195
  • 2位(2019年) $34,330,068
  • 3位(2018年) $25,532,177
  • 4位(2017年) $24,787,916
  • 5位(2016年) $20,770,460
  • 6位(2022年) $18,865,615
  • 7位(2015年) $18,429,613
  • 8位(2014年) $10,923,977
  • 9位(2013年) $2,874,380
  • 10-11位(2012年) $1,600,000
  • 10-11位(2011年) $1,600,000

なぜ記録更新にならなかったのか

2022年は「Battle Pass」などの大会関連アイテム売れ行きがよくありませんでした。

明確な理由というのはわかっていませんが、考えられることがいくつかあります。

  • 「Battle Pass」の販売期間が短かった
    • 今回は販売開始が遅く、販売期間が59日間のみ
    • 例年は100日以上の期間で販売
  • 「Battle Pass」が「Part 1」「Part 2」の2部構成展開
    • Part1の販売期間は9月1日~11月2日のみ
    • 例年は大会期間で段階的に追加コンテンツが投下された
    • Part2は大会終了後の展開になるため、選手やチームのために賞金を増やしたいと思うような層の買い控えに影響したか
  • 「Battle Pass」コンテンツの満足度
    • レアスキン「Immortal II」の登場が「Part 2」から
    • 新コンテンツとして選手のサイン入りステッカーが登場したが、購入したメリットがあまり感じられなかったため、追加購入する意欲がわかなかった(個人的な感想)

ということで、「Battle Pass」を買ってもらうための施策があまり上手くいっていなかったのではないかというのが、個人的な見立てです。

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この記事を書いた人
Negitaku.org 運営者(2002年より)。Counter-Strikeシリーズ、Dota 2が大好きです。 じゃがいも、誤字脱字を見つけるのが苦手です。

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