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『REJECT』はラストチャンス予選から『VALORANT』世界大会に出場出来るのか、オーナー甲山翔也氏にチームの取り組みや高額な選手報酬についてインタビュー

プロeスポーツチーム『REJECT』のオーナー甲山翔也氏に、現在の『VALORANT』チームや今後開催されるラストチャンス予選についてお話を聞いてきました。

このインタビューは、『REJECT』の新たなゲーミング施設「REJECT GAMING BASE」を見学させていただいた際に行なったもので、『VALORANT』に関する質問と回答をまとめて構成しています。

※インタビューは2021年8月末に実施

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eスポーツチームのオーナーでVALORANT「レディアント」到達

―お忙しいとは思いますが、最近ゲームは何かプレーされていますか?以前は学生向けの『VALORANT』大会『Red Bull Campus Clutch』に出場されていました

甲山
『VALORANT』は好きで、ちょこちょことやっています。
といっても、基本的に朝起きてから寝る前までは仕事をしているので、「今日はちょっと夜更かししても良いか」という土日に少しという感じです。

―ランクマッチはどうですか? 以前はレディアント(VALORANTの最高ランク)まで到達していましたよね。eスポーツチームのオーナーでレディアントという人は、世界広しといえども、ほとんどいないかと思います。

甲山
レディアントには2回なりました。オーナーでレディアントだったら「じゃあ選手はどれだけ強いんだ?!」と思ってもらえるかなと考えてがんばりました。最近は時間が無くてランクマッチはほとんどできていないです。みなさんのレベルがかなり上がっていて、レディアントになるのはすごく難しいと感じています。

ゲーマー「NasteL」としても活躍

選手に高額な報酬を支払う理由、Dep選手は1億円プレーヤを目指して欲しい

―直接お聞きしてみたいと思っていたことがありまして、以前、Dep選手が1,000万円プレーヤーということをツイートされていました。日本だとeスポーツ選手の年俸や給与の額というのはあまり公言されていないと思います。金額を公開したことや、高額な給与を選手に払うことについての考えを聞かせていただきたいです。

甲山
年俸1000万の選手って、表に出されていないだけで他のチームにもいると思っています。うちのモバイルの選手達も、給与としてはかなり高い方ではないでしょうか。

選手には、お金を使って自分の成長に当てて欲しいなと思っています。アルバイトをしながらプレーしていたとすると、自分に投資するという使い方はなかなか出来ないだろうし、心の余裕というのも無くなってくると思うんですよ。

Dep選手にはそういうことを全く考えて欲しくなくて、とにかく競技に向き合ってストイックに練習してほしいなと思っています。自分としては日本一だったりトップクラスの選手であれば、このくらいの金額は妥当だと考えています。そして、才能ある選手に対して誠意を見せるという事でもあります。

僕は、Dep選手は年俸1,000万円どころの話ではないプレーヤーだと思っているんです。だから高いと思っていなくて。さらに伸びしろがある選手ですし、彼には1億円プレーヤーになってほしいと思っています。早く払いたいくらいなので、それくらいの選手に成長して欲しいです(笑)。

『VALORANT Champions Tour Stage3』ラストチャンス予選に向けた課題・取り組み

―『VALORANT Champions Tour Stage3』でREJECTはベスト8と残念な結果でした。ただ、公式には出ていないですがツアーポイントで3位になっている計算で、ラストチャンス予選に出られることになると思います。現状、チームの雰囲気などはどうでしょうか。REJECTというチームとしても、現状や今後についてどう捉えているのかをお聞き出来たらと思います。

※現在は、「REJECT」の出場権獲得が正式に発表されています

甲山
勝ち負けというのは必ず付いてくるもので、いつも必ず勝てるわけではなく負けた時には辛さが待っています。

今回、VALORANTの選手達はすごくショックを受けているというか、負けてしまったことが悔しいというようなことをずっと言っています。

大会後、個人的に全選手と1対1で話をする機会を設けて、REJECTというチームの展望を説明しながら、各選手がどう考えていて、これまでどういう取り組みをしていて、これからどうしていきたいかなどを確認しました。

―ステージ3では、『REJECT』の魅力である攻撃力が封じ込められるような展開もあったように思います。このあたりはどのように見ていたでしょうか?

甲山
各チームすごく研究をして試合に臨んでいると感じました。うちの選手達がこういう動きをしてくるというのがわかっていて、それに対する対策が行なわれていて。選手達は「良い動きが出来ていると思っていたのに、全部対策されている」という話をしていました。

―対策を超えたプレーで相手を上回っていかなければならないレベルになっていると。

甲山
VALORANT Champions Tourはステージを重ねるごとにレベルが高くなっていて、選手達の話を聞いていると、僕みたいな一般プレーヤーからすると全然わからない領域になっています。

―プレー以外のところも勝負に影響してきそうですね。REJECTはメンタルコーチと契約されているとプレスリリースで拝見しました。

甲山
メンタルトレーナーの高畑好秀さんという、プロ野球選手、Jリーガー、プロゴルファーなどのプロスポーツ選手やオリンピック選手など、トップアスリートを指導されている方です。高畑先生からも選手達にいろいろなお話をしていただいています。

先生によると、オリンピックに出るような選手ですら、メンタル面で萎縮してしまい本領を発揮出来ないことがよくあるそうです。待機室で脚をガクガク震えさせながら待っていたり、何も喉を通らないような状態になってしまうとか。

eスポーツもかなりメンタル面が重要で、そこを鍛えたらパフォーマンスが向上するのかなど、色々なチェックをしながら取り組んでいます。

―REJECTとしては選手達の意見も反映しながら、これからラストチャンス予選に向けて改善を進めていく感じでしょうか。

甲山
「何を目標にするか」という勝ち負け以前のところについて、しっかり話し合う時間を設けて、その上でがっつり鍛え直していくというのがいまの状態です。

全員がすごく悔しい思いをしているのですが、もっとストイックに練習していたら、この結果をさらに悔しいものに出来たかもしれません。

自分達が精一杯やっていたと思っていた練習量が、世界一になれるようなものだったのかなど見つめ直しています。強靱な考え方の地盤を持った上で、どこまで個人やチームの力を伸ばすことが出来るか。そういった取り組みが、これからチームとしてやれることだと思っています。

―現状、チームの課題はどこにあると分析されているでしょうか?

甲山
REJECTは各選手の個人技が非常に長けているチームですが、「チーム力」はまだ不十分だと感じています。

「HaReeee、Depと1vs1で戦って」と言われたとしたら、やりたくない相手だと思うんです。でも、それが対チームだった場合、相手チームに軍配が上がるんじゃないかというのが正直なところです。

10月のラストチャンス予選までにチームとしての動きを強化して、それがハマれば最高だよねという話を選手たちとしています。

HaReeee選手からは「次、オレは絶対に1位を取るよ」という言葉を直接もらいました。ラストチャンス予選には成長した『REJECT』の姿をお見せしたいと思います。ぜひ応援をよろしくお願します。

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この記事を書いた人
Negitaku.org 運営者(2002年より)。Counter-Strikeシリーズ、Dota 2が大好きです。 じゃがいも、誤字脱字を見つけるのが苦手です。

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