DMM GAMESが、2020年12月19日・20日に開催する『PJS WINTER INVITATIONAL 2020』をもって、『PUBG JAPAN SERIES』の主催・運営が終了となることを発表しました。
『PLAYERUNKNWON’S BATTLEGROUNDS(PUBG)』を展開する「PUBG Corp.」は、国際大会で活躍することのできる日本チームを作ること、賞金規模も含めた大会規模の拡大と国際大会競争力を高めることを目的とし、よりレベルの高い次元での試合数の増加を担うべく新しいリーグを開催する必要があると判断したとのこと。
『PUBG JAPAN SERIES』を運営してきたDMM GAMESは、Grade1とGrade2を統合して試合数を増やす形でのリーグ企画、PUBG SCRIM JAPANとも協力しながらPaRの実施回数増加、コスト最適化のためにスポンサー企業様との取り組み強化を図ることを目標としたプランなどを提案していましたが、残念ながら「PUBG Corp.」は上記の展開を選択しました。
『PUBG JAPAN』は今回の決定について説明するツイートを行ないました。
PUBG JAPAN ESPORTS 2021 に関する取り組みの決定に至る背景と今後の予定についてご説明いたします。 pic.twitter.com/miCU8rM0lq
— PUBG JAPAN 公式 (@PUBG_JAPAN) November 27, 2020
「PUBG Esports」の展開として、国際地域リーグ(仮称)を作る構想があるようで、そこへの参加に向けて日本国内の展開を調整していくという決断となっています(日本予選→国際地域リーグ→国際大会)。
PUBG Esportsの裾野を広げることで、多くのプレーヤーにチャンスを与えるほか、新たな才能が誕生することを期待する展開というこになるでしょうか。
『PUBG MOBILE』では、2021年よりNTTドコモ主催で賞金総額3億円の年間大会『PUBG MOBILE JAPAN LEAGUE』が実施されますが、PC版もこのような大規模な展開が計画されているのでしょうか。
今後の詳細については内容が決定次第、改めて発表するとのことです。
『PUBG JAPAN SERIES』は個人的に、かなり充実した大会だったと思っています。
eスポーツで一番重要なのは情熱である、というのが自分の考えにありますが『PUBG JAPAN SERIES』は、関わる多くの人が情熱を持って取り組んでいたと思います。
64選手を都内に集めて毎週全試合をオフラインで実施するというのは、日本のeスポーツにおいては前代未聞の取り組みでした。毎週行なわれる大量のパソコンやデスク設置、撮影環境作りは地味で時間がかかる大変な作業です。64人もいる選手達を管理したり、移動費などを負担するのもかなりの労力です。
FPSで日本チームが国際舞台で勝てないことの理由として、オフライン経験が少ないということが挙げられてきましたが、『PUBG』に関しては『PUBG JAPAN SERIES』がオフライン実施であることがかなりプラスに働いていたのではないかと思います。国際大会での総合成績上位はまだ遠いですが、日本チームがドン勝つ(1位)を取ることが出来ることもかなり増えました。
ファンの方も、スポンサーの商品を購入したり、積極にツイートしたり、選手の配信やSNSを追いかけたりと熱心に応援の活動を行なっていました。運営側が、選手の魅力を感じて応援したくなるよう、さまざまな試行錯誤をしていたことが功を奏していたおかげでしょう。
メディアも、ライターの綾本ゆかりさんが選手や関係者にインタビューを積極的にとっていましたし、4Gamer.netはライターとカメラマンをそれぞれ投入するような力の入れようでした。自分も写真撮らせていただいたりレポートを書いたり楽しませていただきましたし、関係者の方にもかなり丁寧に対応していただいて快適に取材が出来ました。
他にも良いところを挙げたら切りが無いのが『PUBG JAPAN SERIES』ですが、こんなに素晴らしい大会だったしても、どんな人気タイトルで展開していたとしても、終わる時は終わってしまう、というのがeスポーツの難しいところです。
終わった後に、「ああしておけばよかった」「とても有り難い存在だった」と思うことが多いかと思いますが、残念ながらそれは後の祭りです。大会が行なわれているうちに、全力かつ前向きな気持ちで取り組むことで、違う未来が待っているかもしれません。
感傷的な文章ではありますが、日本のPUBGにおけるesports展開がこれで終了するわけではありません。2021年の取り組みは、より前向きで発展的なものとなるためのものになるはずですので、こちらも全力で楽しみたいと思います。