『ESL』が、『ESL Pro Tour CS:GO』で行なわれたコーチによる観戦バグの不正使用に関する調査結果と、その処罰について発表しました。
コーチバグとは
- 特定の手順を踏むことでチームのコーチが誰にも悟られることなく、マップ上のどこからでもゲームを観戦可能となる。
- これをコーチが使うことで、本来は知り得ない敵配置を選手達に伝えることで選手達にアドバイスすることが出来てしまう。
調査内容について
- 過去数ヶ月における『ESL』『DreamHack』主催大会の試合を調査。
- Valveと連携し調査結果が各日である事を確認
- トーナメントでバグを使用し有利な状況を得ていたコーチを特定
- ルールブック「6.10.5 Use of Bugs and Glitches (バグと不具合の使用)」違反として処分を決定。順位、ツアーポイントは無効化、賞金の支払いもなしに。
調査結果・罰則
MechanoGunコーチ ( Hard Legion所属)
- 使用頻度: 『ESL One Road to Rio』CIS3試合中6マップで使用
- 成績無効:『ESL One Road to Rio』CIS 3位、賞金$6,000、ESL Pro Tourポイント 140
- 処罰:6ヶ月間コーチとして出場停止
HUNDENコーチ ( Heroic所属)
- 使用頻度:『DreamHack Masters Spring 2020: Europe』1マップ中10ラウンド使用
- 成績無効:『DreamHack Masters Spring 2020: Europe』ベスト12、賞金$3,000、ESL Pro Tourポイント 45
- 処罰:12ヶ月間コーチとして出場停止
deadコーチ ( MIBR所属)
- 使用頻度:『ESL One Road to Rio』North America1マップ中1ラウンドで使用
- 成績無効:『ESL One Road to Rio』North America ベスト8、賞金$2,000、ESL Pro Tourポイント 55
- 処罰:24ヶ月間コーチとして出場停止
この出場停止処分は、『ESL』『DreamHack』主催大会のみならず、『Esports Integrity Commission』の加盟団体主催の大会も対象となります。大きなところでは『Blast Pro Series』が含まれることになります。
試合中におけるコーチとは
補足として、CS:GOの試合におけるコーチはどんな権限があるかということを、ルールブックの記載を元に説明します。
オンライン大会
- コーチのゲームクライアント1つをゲームサーバーに接続可能
- チャットで「.coach」と入力することで「コーチ」ポジションに入る
- 試合中、運営から指示がない限り選手たちとコミュニケーションが可能
オフライン大会
- 選手プレー席の背後にコーチを配置可能
- コーチは音声通話システムを通じて、「タクティカルポーズ」「ハーフタイム」の間のみ選手とコミュニケーションが可能
- 上記の指定時間以外で、叫んだり何らかの方法を使って選手達とコミュニケーションすることは出来ない
今回、不正が行なわれたのはオンライン大会でした。
自分は実際の画面がわからないのですが、コーチは自チーム以外の視点からゲームを観戦することは出来ないはずです。しかし、それを不正により回避して自由に情報を得ながら選手に伝えることで有利な状況を得ていたということになります。
このような不正をしても順位としては大きく伸びたわけでもなかったのが何とも言えないところ。しかし、これによって順位を下げる結果となってしまったチームもいるわけで、コーチに対して長期間の出場停止処分が言い渡されるのも当然かと思います。
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