バトルロワイヤルゲーム『荒野行動』の王者を決定する『荒野Championship-元年の戦い 荒野王者決定戦』で、 ちーむえーけー!! が優勝となりました。
『荒野Championship-元年の戦い』は『荒野行動』のeスポーツ正式参入、国内最大規模を目指す大会として実施されました。
オンライン予選、オフライン予選を経て、東日本・西日本の代表20チームが2019年8月12日(月・祝)に「ベルサール高田馬場」で開催された決勝大会に出場。
この会場で見た光景に、とてつもなく驚かされました。
まず一番驚いたのは、来場する客層の中心が10代後半~20代前半くらいくらい、下は小学生の方もいたりと非常に若く女性の割合も高かったこと。
さらに、見た目で判断するのも失礼かもしれませんがゲーマーという印象を受けないヤンチャっぽいお兄さんやセクシーな服装のお姉さんなども多く、アプリランキングの上位に入る人気スマートフォンゲームが持つプレーヤー層の幅広さと、その数に圧倒されました。
試合が始まるまでの空いた時間はスマートフォンやタブレットで男女ともに『荒野行動』を自然とプレーしており、これもモバイルゲームのファンらしい行動で非常に面白いと思わされた点です。
取材させていただきながら「レポートを書いてもこのお客さん達に読んでもらう術が全く無さそうだ」と思わされるくらいに、自分がこれまで見てきたPCゲームのeスポーツファンとは異なる客層でした。
他にも色々と書きたいことがあるのですが、まずは試合と結果について先に紹介していきます。
『荒野Championship-元年の戦い』には20チーム・100名(1チーム5名)が出場し、全5ラウンドで対戦を実施。各ラウンドの入賞順位とキルポイントによる総合得点で最終順位が競われました。
本大会の主人公となったのは、事前の紹介ムービーでフィーチャーされ、さらにユーザー投票で最多人気チームに選ばれた ちーむえーけー!!。
ラウンド1、2は不調ながらもラウンド3で1位、ラウンド4で2位を獲得。さらに大量キルによるポイントも追加し、最終ラウンド前で50ポイントの大幅リード。
5ラウンド目は序盤ピンチに合いながらも生き延び、 AK_ななちむ選手、 AK_Masα選手のスーパープレー(動画)で10位獲得と大量キルでさらにポイントを追加。見事に優勝となりました。
各ラウンドを制したチームのプレー、実況と観客の熱狂が伝わる会場の様子を動画にまとめましたのでぜひご覧ください。
本大会は、日本最大規模のeスポーツ大会『RAGE』を展開するCyberZ社が中心となり運営を担当。これまでに『RAGE』で培ってきた、選手を輝かせ来場者を楽しませるノウハウを活用していました。
出場選手には全員にユニフォームを提供し見映えを統一。
入場時は「ゲーミング腕組み」と「決めのワンポーズ」をセットにした演出が行なわれていました。ステージに上がると恥ずかしくて下を向いてしまう、というのはオフライン大会にありがちですが、全チームが照れる事無く「ビシッ」と決めていたのがとても印象的でした。
『RAGE』と言えば「煽りV」が個人的なお気に入りポイント。
出場する選手やチームの魅力や見どころをわかりやすく共通認識化して、観戦する前にストーリーを共有させるための手法と言えます。
その「煽りV」ですが、今回は煽りすぎではと思うくらいの強烈な仕上りで、「eスポーツはスポーツなのだからスポーツマンシップに乗っ取ってプレーするべき~」と主張するような人が激怒するのではないかと思われるレベルでした。
補足しておきますと、このあたりはもちろん演出なので試合中に煽り合うようなことは無くみなさん真剣にプレーしていました。各選手の姿勢について、しっかりと掘り下げているパートもあります。
また、来場したファンやあまり詳しくない人にも訴求するコンテンツを多数用意するのも『RAGE』ならでは。
記念撮影、メッセージウォール、さらに各ブースをまわって参加するスタンプラリーでプレゼントがもらえる企画、競技端末である「Xperia 1」で試遊したり、出場チームのタトゥシールを提供して応援に力を入れる仕掛けなど、かなりの企画が用意されていました。
さらに、各試合の合間にもスペシャル企画を用意。
大会のオープニングでは、ブレイクダンスチーム「MORTAL COMBAT」が登場してド派手なパフォーマンスを披露。
また、「荒野行動あるあるダンサーズ」による応援ダンス「荒野あるあるダンス」が会場を沸かせました。
ドランクドラゴン鈴木拓さん、荒野行動女子部、有名プレーヤーといったゲストが東西チームに別れての50vs50ゲームも実施。
こちらが面白かったのは、ストリーミング配信の視聴者、会場の来場者も早い者勝ちで参加可能だった点。
ルーム番号とパスワードが発表されると、自前のデバイスに素早く入力しその場から参戦している様子はモバイルゲームならではで非常に新鮮な展開でした。
マップ内のサッカー場センターサークルに最速降下するのを競う「最強空挺兵決定戦」も実施。
マップ知識、降下タイミング、操作が問われる企画で、着地の瞬間を複数のカメラで撮影し判定する妙なこだわりが非常に面白い企画でした。
ちなみに、各試合はeスポーツ実況アナウンサーの柴田将平さん、荒野行動の人気実況者Bockyさんによる「荒野、行こうや!」のかけ声でスタート。個人的に、この手のダジャレ展開で最高に楽しくなってしまういい年になりました。
また、イベントのメインMCは百花繚乱さんが担当されていたのですが、臨機応変な対応と安定した進行力で流石といえる腕前でした。
ご紹介してきたとおり、個人的にかなりの衝撃を受けた本大会。
これまでにも同じようなことがあったなと思ったのですが、それは『サドンアタック』や『スペシャルフォース』といった無料FPSのオフライン大会において、新たな世代のゲーマーたちによるeスポーツを目の当たりにした時がまさに同じような感覚でした。
『Quake3』『Counter-Strike』『Unreal Tournament』『StarCraft』といった2000年代前半のesports大会は99%くらいが男性というような状況でしたが、上記の無料FPSには女性の観客、さらにはプレーヤーの「女性ファン」が登場したことにかなり驚かされました。
無料FPSゲームは、ゲームの購入が必要な先のesportsタイトルとは比べ物にならなくらい多くのユーザーを獲得し、後にその中からプロゲーマーや人気ストリーマーとなる才能溢れるゲーマーを多数輩出しました。
PCとは異なり、いまではほとんどの人が持っているスマートフォンをプラットフォームとした人気タイトルの『荒野行動』は、それ以上に多くのゲーマーを競技ゲームの世界に引きつける可能性があると本大会を通じて強く感じさせられました。
賞金総額は2,500万円以上、出場9万チーム・50万プレーヤー以上、YouTube配信のアーカイブ視聴数は現時点で440万回以上を記録した『荒野Championship-元年の戦い』は、目標通り国内最大規模のeスポーツ大会となり、まさに「元年の戦い」のタイトルに相応しい大会になったと思います。
配信アーカイブ
正式なeスポーツ参入を果たした『荒野行動』、その次なる展開が気になるところ。
イベントのラストに『NetEase Game』の企画担当の方が登場し、今後についての発表が行なわれましたが、こちらはアップデートやイベントに関するもので、「eスポーツ」に関する展開についてはアナウンスがありませんでした。
次期大会の開催や今後のeスポーツ展開についての発表が無かったのは個人的に予想外で、「eスポーツの発表、行こうや!」と思わずにはいられませんでした。
こちらについては、今回の大盛況を経て改めての発表がある事に期待したいところです。
大会の写真は、以下からご覧ください。
https://www.flickr.com/photos/145661789@N02/albums/72157710265356122
ちなみに、帰りの高田馬場駅では大会の広告がズラリと貼り出されていたことに気付きました。
また、モバイル端末を使ったプレースタイルが多種多様なのがかなり興味深かった点です。
『荒野Championship-元年の戦い』で「DgGteamEINS」「DgGZWEI」が不正協力プレー、賞金・成績取り消しの失格処分に