eスポーツの誠実性・健全性を守るための組織『Esports Integrity Coalition (ESIC)』が、オフライン大会で不正ツール使用したNikhil “forsaken” Kumawat選手に対する処分を発表しました。
forsaken選手、ESIC加盟団体の大会に5年間出場禁止処分に
ESICの発表から主な部分をピックアップすると下記のような内容になります。
処分内容
- ESIC加盟団体が展開する大会・イベントにおける5年間の出場禁止
調査内容
- 『ZOWIE eXTREMESLAND CS:GO ASIA 2018』での不正ツール使用発覚をきっかけに『ESL India Premiership 2018 Fall』プレーオフに出場した4チーム20選手を調査 (※ESLはESICの加盟メンバー)
- forsaken選手が使用したSSDからのみ、『eXTREMESLAND』で発見されたのと同様の不正プログラムが見つかる
- 懲罰委員会の前に、提案する制裁を受け入れるか、または弁明を行なうかという猶予を与えるという連絡をforsaken選手に対して行なったが、期限までに回答を得られなかった
- forsaken選手の行為は、規約「Code of Conduct」の項目「2.4.4」に該当。最も重大と考えられるレベル4の違反して処分を検討。
- ESICによる調査は今回2回目とのこと。2回目の違反は無期限の出場停止処分が下されるが、2017年に実施されたという不正は今回と関連性が少ないことからこの処分は適切でないとの判断で見合わせた。
- CS:GOコミュニティがこの処分に不服であるのは承知しているが、eスポーツにおける制裁も伝統スポーツにおける対応に習うべきだと判断した
- forsakenは裁定が不服の場合、発表から48時間以内に異議申し立てを行なうことが出来る
5年の出場禁止がそのまま実施となれば、現在23歳のforsaken選手は、28歳となる2023年10月25日まで「ESIC」に加盟する団体の大会には出場出来なくなります。大手だと、『ESL』や『DreamHack』がメンバーに名を連ねています。
forsaken選手がインタビューに応じる「全てのゲームで勝ちたかった」
AFK Gaming がforsaken選手へのインタビューを実施。今回の不正やその背景について、forsaken選手の考えに迫りました。
- ツールを使った理由は、全てのゲームで勝ちたかったから。
- 『eXTREMESLAND』ではダウンロードしたrarファイルを展開して不正ツールをPCに導入した
- 不正ツールを使っていることはチームメイトやマネージャーたちは知らなかった
- ツールの効果が射撃の精度や正確さにおいてアドバンテージをもたらすものだったため、プレー画面を見られても気付かれる事は無かった
- ブートキャンプ中も使用していたが気付かれることはなかった
- 時間を戻すことが出来るとしたらどうする? という問いには「CS:GOを初めてプレーした日をナシにしたい」と回答。理由は「CS:GOをプレーし始めてから何も良いことは無かった」から。
- 今後は過ちを糧により良い人間となることを目指して行く
Ian Smith氏のコメント (ESIC, Integrity Commissioner)
esportsにおいて今回のような事が起きたのはとてつもなく残念な事です。forsaken選手には以前のやり取りにおいて思いやりと配慮を伴う対応をしていたので、とりわけ失望しています。
さらに、forsaken選手はインドのCS:GOとesportsに甚大なる被害をもたらしました。forsaken選手のような不正を行なう選手はesportsに居場所がありません。彼がCS:GOや他のゲームに戻ってくる事が決して無いことを願っています。
『ESL India Premiership 2018 Fall』決勝は再試合に
『ESL India』は今回の決定を元に、『ESL India Premiership 2018 Fall』決勝戦を改めて実施する事を発表しました。
大会で優勝していた OpTic Indiaは、当時所属していた forsaken選手が不正ツールを使っていたため失格処分に。
2ez Gaming と Slaughter Rage Armyによる決勝戦を10月28日に改めて実施すると発表しました。
優勝チームには、『ESL Pro League Season 8 – Asia』の出場権が付与されます。
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