「国際オリンピック委員会」(IOC)と「国際競技連盟連合」(GAISF)が、2018年7月21日にスイス・ローザンヌのオリンピック・ミュージアムにて「eスポーツフォーラム」を開催したことを報告しました。
公式サイトでの発表によると、フォーラムはIOCが掲げる理念を理解しその活動を世界に広めていく運動「オリンピック・ムーブメント」の将来的な取り組みに向けて、共同理解を深めるために実施されたとのこと。
フォーラムには、「eスポーツ」「ゲーム産業」を代表する150名以上(選手、パブリッシャー、チーム、メディア、スポンサー、イベントオーガナイザーなど)に加えて、「オリンピック・ムーブメント」に携わる国際オリンピック委員会、国際スポーツ連盟、アスリート、パートナー、放送局などが出席。
今回の議題は「eスポーツをオリンピック競技に採用するかどうか」ではなく、「eスポーツ」がスポーツとして認知され、オリンピックの価値観・ルールなどに基づき「オリンピック・ムーブメント」においてどのような取り組みが可能かという可能性について検討されたとのこと。
フォーラムでは、韓国eスポーツ協会、Riot Games、Blizzard Entertainment、Electronic Sports Leagueの代表者によるパネルセッション等も実施。
また、元プロバスケットボール選手でeスポーツチームEcho Foxのオーナーを務める Rick Fox氏や、 Houston Outlawsに所属し『Overwatch League』に出場するプロゲーマー Jacob Lyon選手など、最先端シーンに携わる関係者も出席しており、以下のようにコメントを残しています。
オリンピック・ムーブメントとeスポーツについての議論開始について、サポートする機会を得たことを誇りに思います。自分はバスケットボールとeスポーツの両方に関わるキャリアを持つことが出来て幸運です。スポーツとeスポーツに存在するの双方の情熱をもって、共に取り組みんで行く方法について意見することが出来たと思っています。
オリンピック・ムーブメントに関する今回のフォーラムに参加する事が出来たのは素晴らしいことでした。スポーツ・eスポーツの両コミュニティが、お互いに学び合うことについて興味を持ったのではないでしょうか。世界中のeスポーツファンの増加や成長性がそれを証明していると思います。お互いの経験から、学び成長する多くの機会があるでしょう。
GAISFとIOCを代表し、本日のフォーラム参加者全員に感謝を述べたいと思います。特に興味深い一つのことは、私たちはスポーツへの情熱と競技への愛を共有して結束しているという点です。これは、オリンピックとeスポーツコミュニティが将来的な協力を可能とするための前向きな議論の出発点となります。
共同通信の記事には、以下のような記載もあり完全に前向きに話が進んでいるというわけではないようです。
フォーラムでの一貫しないIOCのバッハ会長の言葉が、手探りの現状を浮き彫りに。若者が中心の市場は魅力的だが「どう考えてもスポーツではない」と断言するIOC委員もいて、抵抗感は根強い。
IOCとGAISFは、関係者のコミュニケーションと関わりを継続していくために「Esports Liaison Group」を設立し、メンバーを2018年12月5~6日に開催される「Olympism in Action Forum」に招待する予定とのこと。
また、2018年11月5~7日の「GAISF IF Forum」や2018年10月28~29日に東京で行なわれる「XXIII ANOC General Assembly」にて206の「National Olympic Committee」とeスポーツをトピックした議論を行なう他、2018年12月に開催されるオリンピックサミットにてIOCのプレジデントがeスポーツをアジェンダにあげるそうです。