株式会社日本経済新聞社と株式会社日経BPが運営する『NIKKEI STYLE』にて、『第18回アジア競技大会』eスポーツ日本代表は日本オリンピック委員会が正式派遣するものではないとの報道が行なわれています。
『第18回アジア競技大会』は、2018年8月18日~9月2日にインドネシア・ジャカルタで開催されます。eスポーツ競技は、「アジアオリンピック評議会(Olympic Council of Asia, OCA)」「Indonesia Asian Games Organizing Committee (INASGOC)」「Asian Electronic Sports Federation (AESF)」の3団体が協力して実施となります。
日本では、『日本eスポーツ連合』が日本予選を主催し、『League of Legends』『StarCraft II: Legacy of the Void』『Hearthstone』『Clash Royal』『PRO EVOLUTION SOCCER 2018』の日本代表選手を選出。この5タイトルの日本代表選手は、6月に本戦出場権をかけて香港で実施された東アジア予選に出場し、『PRO EVOLUTION SOCCER 2018』と『Hearthstone』で本戦の出場権を獲得しています。
『第18回アジア競技大会』eスポーツ競技「ウイイレ」レバ&SOFIA、「ハースストーン」Tredsredが本戦進出、LoL、スタクラ、クラロワは予選勝ち抜けならず
『NIKKEI STYLE』の記事をまず全て読んでいただきたいと思います。
一番衝撃的なのが以下の記述です。
だが代表選手を派遣するはずのJOCは、我関せずというスタンスだ。「(エントリーの書類に)JOCの判がなければ出場できないので、代わりに押してあげるだけ。eスポーツの選手を派遣するのはJeSUであって、JOCではない」。日本代表としての統一ユニホームや現地での滞在費支給は無し。JOCの公式記録にも残らない。
大会が始まっても、JOCが派遣する正式な日本代表でないeスポーツの選手たちは開会式や閉会式に出席できない。現地ではホテルなどの宿泊場所が不足する可能性が高いが、「選手村に入れるかどうかはインドネシアの組織委が判断すること」とJOCは突き放す
以前の記事で書きましたが、そもそもこれまで『JOC』から加盟の承認が下りずに『アジア競技大会』に出場出来ないという事実があり、課題となっている点を徐々にクリアしていっているというのが現状でした。しかし、突如として『第18回アジア競技大会』の出場が決まり、個人的には疑問な状態でした。
日本の国内オリンピック委員会(NOC)は、「日本オリンピック委員会」(JOC)となっておりアジア大会に出場するには同団体が日本選手団を決定し派遣する必要があります。
日本はこれまでeスポーツ団体が乱立していることでJOCの加盟条件をクリアできていませんでしたが、2018年2月にようやく国内統一団体「日本eスポーツ連合」への統合が行なわれ加盟へ一歩近づきました。
しかし、現状でJOCの加盟は実現しておらず、上記の代表選考スケジュールを考えると日本が『第18回アジア競技大会』のeスポーツ部門に出場する可能性はかなり低いのではないかと思われます。
『eスポーツ』が世界的に注目されている状態となっていることから『日本eスポーツ連合』が「日本オリンピック委員会」に交渉し何とか出場の書類を代理提出してもらうことで出場が実現した、ということになると思いますが、「日本オリンピック委員会」としては正式加盟していない「eスポーツ」の競技団体を支援する必要も興味も無いということで上記のようなことになっているということでしょう。
「日本オリンピック委員会」の正式な記録として残らないのであれば、『第18回アジア競技大会』の『eスポーツ』競技に日本代表が派遣されたという実績自体が残らないということになるはずです。一体、何のための代表派遣なのでしょうか…。
やはり、「eスポーツ」はオリンピック競技となることを無理に目指す必要は無いと改めて感じます。それぞれのゲームタイトルで世界一を決める大会がより発展していく方が色々な点で健全な流れだと思います。