2018年2月1日、日本国内のeスポーツ統括団体となる『一般社団法人 日本eスポーツ連合(Japan esports Union, JeSU)』設立が発表されました。
『日本eスポーツ連合』は、ゲームを使った対戦をスポーツ競技として捉える「eスポーツ(esports)」の競技力向上、スポーツ精神の普及を目指し、経済社会の発展に寄与することを目的として設立されました。
主な活動内容
プロゲーマーとライセンス制度については、『日本eスポーツ連合』の公式サイトに詳細が掲載されています。団体は、プロゲーマーについて下記のように定義しています。
プロゲーマーとは
プロライセンス発行対象者
プロライセンスの種類
これまでの公認タイトルの大会で優秀な成績を収めている場合には、IPホルダーの推薦を条件とし例外的にライセンスを発行する場合があるとのこと。
ライセンスの期限は2年間、タイトル単位で発行となります。
『日本eスポーツ連合』は、このプロライセンスを保有していることで、国内大会における高額賞金受け取りの問題がクリアされると認識しているそうです。
ライセンス認定タイトル
2018年2月10日(土)~11日(日)に開催される『闘会議2018』では、「コール オブ デューティ ワールドウォーII」を除く5タイトルの大会が行なわれ、各タイトルごとに規定された上位入賞者はプロライセンスの取得権を得ることが出来ます。
ちなみに、闘会議2018公式サイト内にある「プロライセンスとは」の項目には、『日本eスポーツ連合』サイトに現状で記載が無い登録料・更新料に関する説明が掲載されていました。
※引用内の太線は運営者がつけたものです
【3‐②】 ライセンスの発行方法②
・ プロライセンス発行時には、本人の保有意思確認の意味も含め、手数料として5000円、ジュニアライセンスの場合は3000円の実費を支払うものとする。【3‐③】 ライセンスの発行方法③
・ ライセンス発行手数料の負担については当該ゲームのIPホルダーによりポリシーが異なります。【4】 ライセンスの更新
・ ライセンス更新は、発行から2年ごとに行う。
・ 更新時には更新費用実費を支払うものとする。
・ 更新時には、eラーニングによる講習を受けるものとする。
『日本eスポーツ連合』は、下記3つの国内eスポーツ推進団体が統合し、ゲームメーカー各社が加盟する2団体の協力を得る形で設立された新組織です。
既存「eスポーツ」団体
協力団体
役員
「eスポーツ」は2022年に中国・杭州で開催される「アジア競技大会」の公式メダル種目に採用が決定しています。
この大会に日本代表が出場するには「日本オリンピック委員会(JOC)」が選手団を結成する必要があります。そのためには、「eスポーツ」種目の統一団体がJOCに加盟が必須となりますが、これまでは複数の団体が存在していることが加盟のネックとなっていました。
団体が統一化に向かった1つの理由がこの問題をクリアすることで、今回の統一団体設立により本件が前向きに前進する可能性が出てきました。
これまでに比べて「プロライセンス」に関する情報が明らかにされましたが、このプロライセンスが持つ影響力、所持の有無によるメリット・デメリットがまだハッキリしていないと感じています。
今後、プロゲーマーやチームによってはこの「プロライセンス」を取得しないという判断をする場合もあるでしょう。その場合、その選手やチームは公認大会に出場する事は出来るのでしょうか。仮に日本代表に相応しい実力があったしてもライセンスを持っていない場合は今後開催されるという「アジア競技大会」等に日本代表として派遣されることはないのでしょうか。
また、日本eスポーツ協会は過去に公認大会において優秀な実績をおさめたチームや選手に海外大会への渡航・宿泊費を負担するなどの形で支援してきましたが、そういった取り組みは継続されるのかのなども気になるところです。
これらについては今後徐々に明らかになっていくことを期待しています。