2022年に中国・杭州市で開催される『第19回アジア競技大会(Asian Games)』夏季大会にて、「esports」が公式メダル種目に採用されました。
『アジア競技大会』を主催する「アジアオリンピック評議会」は、スポーツを通じた友情や平和の促進、スポーツ・文化・若者の教育発展を目的とする団体で、国際オリンピック委員会(IOC)の委員に任命されています。
この「アジアオリンピック評議会」が、『World Electronic Sports Games』を展開する中国アリババクループ傘下の「Alisports(アリスポーツ)」と戦略的パートナーシップ契約を締結し、2022年に中国・杭州市で行なわれる『第19回アジア競技大会』で「esports」を公式メダル種目として採用しました。
「esports」は、「コンピューターゲーム」でスポーツのように記録や対戦結果を競い合うもので、10~30代の若者に絶大的な支持を得るほか、急成長する産業としての魅力を持ち、プロスポーツチーム、有名投資家、大手企業・ブランドが参入するなどして近年注目を集めています。
2022年の『アジア競技大会』における公式メダル種目としての「eスポーツ」競技実施に先駆け、2017年9月17~27日にトルクメニスタンで開催の『第5回アジアインドア・マーシャルアーツゲームズ』、2018年8月18~9月2日にインドネシアで行なわれる『第18回アジア競技大会』にて、デモスポーツとして「eスポーツ」競技が実施となる予定です。
『第5回アジアインドア・マーシャルアーツゲームズ』では、サッカーゲーム『FIFA17』に加えて「MOBA」(Multiplayer Online Battle Arena)、「RTA」(Real Time Attack)ジャンル等での競技が行なわれる計画です。
ちなみに、過去の『アジア室内競技大会/アジアインドア・マーシャルアーツゲームズ』ではすでに「eスポーツ」競技が行なわれており、「MOBA」タイトルとしては、2009年の第3回大会で『DotA Allstars』、2013年の第4回大会では『League of Legends』が採用されていました。
過去大会の紹介
『アジア競技大会』に「eスポーツ」が採用されたのは大変喜ばしいことですが、この大会に日本から代表選手が出場するためには課題があります。
2007年9月の『日本eスポーツ協会設立準備委員会』設立を経て、2015年4月に誕生した『一般社団法人 日本eスポーツ協会(JeSPA)』は、当面の活動目標の一つに『第5回アジアインドア・マーシャルアーツゲームズ』への日本代表選手派遣を掲げ、出場条件として下記が必要であると説明していました。
日本選手出場の条件
『日本eスポーツ協会』はこの目標達成のためにJOCへの加盟を目指すとしていましたが、今のところ加盟は実現しておらず、今年9月に行なわれる『第5回 アジアインドア・マーシャルアーツゲームズ』eスポーツ競技への日本選手出場は行なわれない見込みです。
『日本eスポーツ協会』は、過去にJOCからの加盟条件として下記を満たしている必要があることを説明していました。
JOC加盟条件
『日本eスポーツ協会』はこれまでに以下のような取り組みを行なっており、「2」と「3」については条件を満たしているように見えます。
日本には、『日本eスポーツ協会』の他にも『e-sports促進機構』『日本プロeスポーツ連盟』という団体が存在しており「1」を満たしていません。
『日本eスポーツ協会』が引き続き主体となっていくのか、または異なる団体となるのかはわかりませんが、2018年、2022年の『アジア競技大会』に日本代表が出場するためには『アジアインドア・マーシャルアーツゲームズ』と同じく上記の条件をクリアしていく必要があります。
今回の期待感のある発表によって、前向きに事が進んでいくと良いのですが。
参考