7つの北米プロゲームチームが参加する『Professional Esports Association(PEA)』に対し、参画する選手の団体が公開状で問題を提起しました。
公開状は参画する7チームのうち5チーム、 Cloud9、 Counter Logic Gaming、 Immortals、 Team Liquid、 Team SoloMidに所属する選手25名を代表し、キャスターなどで活躍する Scott “SirScoots” Smith 氏の名前で下記のように公開されました。
『PEA』は「Team SoloMid」「Cloud9」「Team Liquid」「Counter Logic Gaming」「Immortals」「NRG eSports」「compLexity Gaming」の7チームが中心となり立ちあげた団体で、eスポーツの発展やプロ選手達に利益をもたらすことを目的に活動していくことを明言しています。
活動の一巻として、賞金総額100万ドルのCS:GOリーグを開催し、大会利益の50%をチームや選手に配分することや、選手への保険や引退後のサポートに関する取り組みも打ち出していました。
非常に長いので気になった点を列挙して紹介します。
PEAの委員会メンバー、チームオーナーが自分達の都合の良いように展開を進めており、選手からの意見や提案にはまともに対応していないことから公開状を出し問題を浮き彫りにした、というのがざっくりとした説明になるかと思います。
選手サイドとしてはPEAのやり方について透明性がないことから、今回この公開状を出すことでコミュニティに実情を開示。PEAとは前向きにより公平性のある取り組みをしていきたいとのことです。
一体どうなるのだろうかと思っていた矢先、 Team SoloMidの Sean “seang@res” Gares 選手が今回の一件と関連してチームを脱退になるという影響が出てきています。
.@TSMReginald has told me that TSM is going to replace me due to my connection to the #playersrights letter.https://t.co/Lee3QzDos7— Sean Gares (@seangares) 2016年12月23日
『PEA』は今回の件に関して、いまのところ一般に向けた情報公開を行なっていません。
※下記、12/24(土)追記
公開状に対し、PEAのNoah Whinston氏が見解を公開しました(原文)。
なぜPEAの出場チームがESLに出場することが出来ないのか
現在、CS:GOのグローバル大会は非常に過密スケジュールで展開されており選手の負担、放送権やスポンサーの調整など様々な問題を抱えています。
PEAとしてはこの問題を解決するため、PEAはアメリカ、WESAはヨーロッパというようにエリア分けを行ない、最終的にそれぞれのトップチームが出場する王者決定戦を共同制作することをWESAに提案していたそうですが、賛同を得られなかったとのこと。
なぜ選手側が出場大会を選択出来ないのか
PEAはまず、基本的な選手とチームの契約形態の考え方を説明しました。プロチームに所属する選手は、基本給、ゲーミングハウス、コーチ、食事、機材など様々な支援を受けながら、チームの運営、収益化、スポンサー獲得などを気にすることなく競技に専念することが出来ます。そのトレードオフとして、選手はストリーミング配信やグッズ販売など選手が関わり収益を生み出す仕組みの管理や、チームとしての方針展開の権利をチームに委ねます。そのため、基本的に出場大会を選手が独占的に決定することは出来ません。選手は意向を伝えることは出来ますが、最終的に決定するのはチームになります。選手達がオーナーとなった独自運営チームであれば、これらは当てはまりません。
Scott “SirScoots” Smith 氏の反応
上記について、選手サイドを代表するScott “SirScoots” Smith 氏がレスポンスを返しています。
上記Noah Whinston氏の投稿に対し、World Esports Associationは下記のように反応を見せました。
内容
ESL Pro Leagueアメリカ部門の実施見合わせての検討に関するPEAコミッショナー Jason Katz 氏からのご提案については、丁重にお断りましました。
私たちはチームと選手に恩恵がもたらされる解決方法を模索することに依然として関心を寄せています。PEAとの会合においては、PEAチームを含む全てのチームと選手にリーグ収益の一部を分配することをご提案しました。
Noah Whinston氏の投稿には多くの誤りがあります。私たちはESL Pro League、PEAに関わらず全ての選手を招待し、直接情報をお届けするというオファーをしたいと思っています。