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7つの北米プロゲームチームが参加する『Professional Esports Association』にCS:GO選手団体が公開状で問題を提起

Professional Esports Association

7つの北米プロゲームチームが参加する『Professional Esports Association(PEA)』に対し、参画する選手の団体が公開状で問題を提起しました。

選手25名が公開状でPEAに対する問題提起を実施

公開状は参画する7チームのうち5チーム、 United States Cloud9、United States Counter Logic Gaming、Brazil Immortals、United States Team Liquid、United States Team SoloMidに所属する選手25名を代表し、キャスターなどで活躍する United States Scott “SirScoots” Smith 氏の名前で下記のように公開されました。

PEAについて

『PEA』は「Team SoloMid」「Cloud9」「Team Liquid」「Counter Logic Gaming」「Immortals」「NRG eSports」「compLexity Gaming」の7チームが中心となり立ちあげた団体で、eスポーツの発展やプロ選手達に利益をもたらすことを目的に活動していくことを明言しています。

活動の一巻として、賞金総額100万ドルのCS:GOリーグを開催し、大会利益の50%をチームや選手に配分することや、選手への保険や引退後のサポートに関する取り組みも打ち出していました。

公開状の内容について

非常に長いので気になった点を列挙して紹介します。

PEAの委員会メンバー、チームオーナーが自分達の都合の良いように展開を進めており、選手からの意見や提案にはまともに対応していないことから公開状を出し問題を浮き彫りにした、というのがざっくりとした説明になるかと思います。

  • そもそも、『PEA』発足の時点で選手はその内容を知らされていなかった
  • 『PEA』関係者、オーナー、選手が仲良く写る集合写真がアップされが、選手は何も知らされていないで撮られたもの
  • 『PEA』では選手側に発言権や議決権が用意されているが機能していない(最終的な決定投票における投票数構造に問題があるとの指摘もしている)
  • 『PEA』が独自リーグを行なうことにより、出場選手は来シーズンの『ESL Pro League』に参加出来ないというウワサが出てきた。
  • PEAとESLのバッティング問題を解決する話し合いが行なわれていないというウワサもあり、選手サイドとしてはPEAとオーナーに質問状を送った
  • PEAとESLがこの問題についての話し合いを行なう前に、選手サイドはPEAの方針に対する説明を求めた結果、プレゼンテーションを受けた
  • プレゼンの資料提出を5回求めても結局提出されないなどの問題もあったが、選手サイドは自分達の意見を取りまとめ、最終決定を正式な文書で通達することを求めた
  • PEA側はその前に電話会議の実施を提案してきたが、選手は大会の関係もあり時間がかかると回答していたところ、それが実現する前にPEAとESLの交渉は終了となった
  • ESLはアメリカで開催するリーグの収益を配分することをPEAに提案してきたが、PEAはこれを却下した

選手サイドとしてはPEAのやり方について透明性がないことから、今回この公開状を出すことでコミュニティに実情を開示。PEAとは前向きにより公平性のある取り組みをしていきたいとのことです。

一体どうなるのだろうかと思っていた矢先、United States Team SoloMidの United States Sean “seang@res” Gares 選手が今回の一件と関連してチームを脱退になるという影響が出てきています。

『PEA』は今回の件に関して、いまのところ一般に向けた情報公開を行なっていません。

※下記、12/24(土)追記

PEAによる回答

公開状に対し、PEAのNoah Whinston氏が見解を公開しました(原文)。

  1. PEA Leagueの目的はアメリカの選手と組織にとって、より良いリーグを作ることであり、独占的なリーグを目指しているわけではありません。チームはPEA以外が運営するリーグやトーナメントに引き続き出場する事が出来ます。
  2. PEAが独自のCSGOリーグを運営しながら、既存のオンラインリーグ全てに参加することは大会が飽和状態であり財務的に不可能です
  3. PEAは大会の飽和状態を解決するため、(一度拒否された)World Esports Association(WESA, ESLやヨーロッパのプロチームが主体となった団体)に妥協するよう提案を行ないました
  4. PEAは契約上、選手が競技する場所を決定する権利を保有していますが、PEAリーグ・ESL Pro Leagueアメリカ部門のどちらに出場するかを選手に委ねることを決定しました
  5. PEAリーグは北米の選手たちにより多くのお金を提供します。PEAリーグ出場チームのミニマムギャランティは平均「$81,250」(賞金 + 最低補償額)となり、ESPL Pro Leagueの最低平均「$21,428.57」を上回ります(NA/EU EPL LAN finalでトップ6となった場合は「$49,857.14」)。
  6. 意志決定のプロセスにおいて選手サイドが感じたないがしろにされているという感情については理解できるもので、もっとより良い取り組みが出来たはずであることを認めます。そのため、誠意を持って今回の決定権(おそらく4の項目)を選手サイドに委ねることにしました。

なぜPEAの出場チームがESLに出場することが出来ないのか
現在、CS:GOのグローバル大会は非常に過密スケジュールで展開されており選手の負担、放送権やスポンサーの調整など様々な問題を抱えています。

PEAとしてはこの問題を解決するため、PEAはアメリカ、WESAはヨーロッパというようにエリア分けを行ない、最終的にそれぞれのトップチームが出場する王者決定戦を共同制作することをWESAに提案していたそうですが、賛同を得られなかったとのこと。

なぜ選手側が出場大会を選択出来ないのか
PEAはまず、基本的な選手とチームの契約形態の考え方を説明しました。プロチームに所属する選手は、基本給、ゲーミングハウス、コーチ、食事、機材など様々な支援を受けながら、チームの運営、収益化、スポンサー獲得などを気にすることなく競技に専念することが出来ます。そのトレードオフとして、選手はストリーミング配信やグッズ販売など選手が関わり収益を生み出す仕組みの管理や、チームとしての方針展開の権利をチームに委ねます。そのため、基本的に出場大会を選手が独占的に決定することは出来ません。選手は意向を伝えることは出来ますが、最終的に決定するのはチームになります。選手達がオーナーとなった独自運営チームであれば、これらは当てはまりません。

Scott “SirScoots” Smith 氏の反応
上記について、選手サイドを代表するScott “SirScoots” Smith 氏がレスポンスを返しています

World Esports Associationのコメント (原文)

上記Noah Whinston氏の投稿に対し、World Esports Associationは下記のように反応を見せました。

内容
ESL Pro Leagueアメリカ部門の実施見合わせての検討に関するPEAコミッショナー Jason Katz 氏からのご提案については、丁重にお断りましました。

私たちはチームと選手に恩恵がもたらされる解決方法を模索することに依然として関心を寄せています。PEAとの会合においては、PEAチームを含む全てのチームと選手にリーグ収益の一部を分配することをご提案しました。

Noah Whinston氏の投稿には多くの誤りがあります。私たちはESL Pro League、PEAに関わらず全ての選手を招待し、直接情報をお届けするというオファーをしたいと思っています。

情報元

この記事を書いた人
Negitaku.org 運営者(2002年より)。Counter-Strikeシリーズ、Dota 2が大好きです。 じゃがいも、誤字脱字を見つけるのが苦手です。

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