株式会社CyberZが7月31日(日)に「EBiS303」(東京・恵比寿)で開催したeスポーツ大会『RAGE Vol .2 GRAND FINALS』STREET FIGHTER V部門で yukadon選手が優勝となりました。
『RAGE』は日本におけるeスポーツの普及、日本発のeスポーツ世界大会開催を目指して立ちあげられたeスポーツイベントです。
第2回目となる今大会は、タッチデバイス向けMOBA「Vainglory」と格闘ゲーム「ストリートファイターV」を採用して開催。
7月30日(土)に実施された「Vainglory」部門に続き、本日は「ストリートファイターV」部門が開催。オンライン予選を通過した8名の強者達が最強の座をかけて競い合いました。
トーナメント形式はダブルイリミネーション方式で、一度負けても敗者復活枠から優勝を目指すことが出来ます。
各試合は2セット先取(1セットは2ラウンド先取で勝利)制で、決勝のみ3セット先取で実施。
勝者側トーナメントを勝ち上がり一番のりで決勝進出を決めたのは『RAGE玄武杯』王者で、『EVO2016』3位の yukadon選手。敗者側トーナメントからは、勝者側決勝で yukadon選手に敗れた『CAPCOM Cup 2015』王者 かずのこ選手が Tokido 選手との激戦を制して決勝進出となりました。
決勝戦では、 yukadon選手が Kazunokoとの激戦を制し優勝となっています。
トーナメント表
優勝: yukadon
準優勝: Kazunoko
3位: Tokido
決勝 yukadon vs かずのこ戦の前には、恒例の大会テーマワード「BRING IT ON!」のコールを実施(以下動画)。
RAGE Vol .2 GRAND FINALS -STREET FIGHTER V- BRING IT ON! pic.twitter.com/T0DUgtnco2— Negitaku.org eSports (@negitaku) July 31, 2016
試合は非常にハイレベルな一進一退の戦いが続き、5セット目には勝者側トーナメントから勝ち上がっている yukadon選手が勝てば優勝、敗者側から勝ち上がった かずのこ選手が勝てば再試合という息を飲む展開。
精神集中するかずのこ選手
yukadon選手はもう負けるかも知れないという精神状況だったそうですが、 かずのこ選手の飛び込みのタイミングをうまく読み切ることや、これまでの対戦経験を活かすことが出来たことが勝因となり見事に優勝。『RAGE』王者の座を獲得しました。
先日の「Vaingroly」に引き続き、本日の「ストリートファイター5」も当サイトではメインに追っているタイトルではありませんが、今回も演出やエンターテインメント要素に力を入れる『RAGE』がどのようなeスポーツ大会を行なうのが興味があり観戦しに行って来ました。
「ストリートファイター5」部門は格闘ゲームと格闘技イベントをミックスさせたような演出で、選手達は格闘技の試合場を思わせるオクタゴン(8角形)のステージに設置された対戦台にてステージの周りを観客が囲む中で対戦。
ラウンドごとにラウンドガールが登場したり、格闘技イベントでMCの経験を持つラッパーUZI氏が大会の進行を務めました。UZI氏はサッカーゲームで世界一となった経験の他、「Counter-Strike」シリーズを「e-boy」の名前でプレーするゲーマーとしても知られる存在です。
ラウンドガールが毎回登場
ラッパー&ゲーマーのUZI氏
現在は、フリースタイルのラップバトルを楽しむことが出来る番組『フリースタイルダンジョン』のMCとして人気のUZI氏は、選手呼び込みのコールにて番組を彷彿させる「次の対戦相手は、こいつだーっ!」や「うぇいよー!」といったお馴染みのセリフを組み合わせて会場を盛り上げました。
また、格闘技番組等でお馴染みの選手紹介も二つ名を付けたような選手の印象付け、インタビューを通じた選手のユニークな解答を交えて選手の魅力を引き出していました。
実況・解説陣: 喜谷 知純さん、せんとすさん、ヲシゲさん
MC・小山ひかるさん
応援マネージャー・水沢柚乃さん
敗者側セミファイナルの直前、人気ラッパーのAK-69氏、般若氏、そしてSIMON氏に変わりUZI氏が参加しての『RAGE』テーマ曲「Victory」の生ライブを実施。
AK-69氏
般若氏
UZI氏
このライブで会場はヒートアップ。勝者側ファイナルからは観客の声出しやノリがこれまでと段違いになっていて、注目度が高い試合がより熱狂的なものに変化していました。
決勝戦終了後、大会終了に向かってトークが進んでいると、突如として「まだ終わっていないぜ」という英語の声が会場から聞こえ、ステージに向かってフードを被った謎の人物が登場。
正体はレッドブルアスリートとして知られるプロゲーマーの Snake Eyes選手。
そしてさらにもう一人。
こちらは、先日実施された世界最大級の格闘ゲーム大会『Evo 2016』ストリートファイター5部門王者の INFILTRATION選手。
この2人と『RAGE』オールスターズのエキシビションマッチの実施が決定。
『RAGE』オールスターズのメンバーは、 Snake Eyes選手が戦ってみたいという Tokido選手と、『Evo 2016』決勝 INFILTRATION選手 vs ふ~どを再現するため hashibiron選手(今回のふ~ど選手のエントリー名)に。
Snake Eyes選手はザンギエフを使い、スクリューパイルドライバーを連発するなど観客を魅了するプレーを披露。対する Tokido選手も絶妙な真空波動拳を繰りだすなど、まさにトッププロの対決という試合に。
『Evo 2016』決勝の再現試合は、 ふ~ど選手がアグレッシブな攻めで INFILTRATION選手 に自分のプレーをさせずに勝利。エキシビションマッチとはいえリベンジを果たす結果となりました。
ふ~ど選手は「勝てて良かったですが、Evoでの敗北がより悔しくなりました。また何度も当たると思うので、CAPCOM Cupなどで倒したいですね」とコメント。対する INFILTRATION選手は「Evo2016とは全く違う動きになっていました。同じTeam Razerの一員として共にプレー出来てうれしく思います。」とリスペクトのコメントでした。
大会協賛の「JINS」が展開するメガネ型ウェアラブルデバイス「JINS MEME」を装着したゲーマーが対戦することで、心理状態が以下にプレーに影響するかといった検証を行なうコーナーが実施されました。
「JINS MEME」をつけての対戦を行なったのは下記の両氏。
プロゲーマー トンピー選手
ゴジライン コイチ氏
「JINS MEME」はスマートフォンアプリと連係させることで、メガネで収集したデータをリアルタイムに見ることが出来るそう。見にくいですが、体力ゲージの下に三つの数値がオーバーレイで表示されています。左からアタマ(集中力)、ココロ(落ち着き?)、カラダ(姿勢)を現しています。
試合が終盤に近づくにつれて2人とも集中力がアップ。
より集中力が高かったコイチ選手が有利にゲームを展開するような流れとなっていました。
赤い戦が集中力が非常に高まっているラインとのことで、トンピー選手の方が集中力がより高まった回数が多い戦いであったことなどがわかります。
トンピー選手は「非常に興味深いデータ。大会の後に試合とこの数値を見比べたら面白いと思います」とコメント。
コイチ氏は「集中力のなさが数値化されていました。これを見ながら反省をすることでゲームを向上させることができるのではないでしょうか」として両者ともにかなりの興味を示されていました。
『RAGE』新タイトルとして、CyberZ社と同じくサイバーエージェントグループのCygamesが展開するデジタルカードゲーム『Shadowverse』の採用が発表されました。
大会の開催は2016年10月からで、賞金総額・優勝賞金共に『RAGE』史上最大になるとのことです。
Cygames常務取締役 兼 総合プロデューサーの木村唯人氏によれば、『Shadowverse』をプレーヤーに焦点が当たるゲームにしていきたいという思いがあり、日本で一番勢いがあるeスポーツ大会『RAGE』に参加することを決定したとのこと。
Cygames木村氏
『RAGE』責任者の大友 真吾氏は、『RAGE』は元々様々なタイトルを束ねるeスポーツ大会ブランドとして展開していく計画で、絶好調の『Shadowverse』を採用させてもらうことになったとコメント。
さらに、『RAGE』は選手に光を当てたいと思っており、eスポーツを日本に根付かせるにはスター選手の輩出が必要。『RAGE』が、あのステージに立ちたいと思ってもらえるような場にしていきたいと思っていると締めくくっていました。
大友氏(右)
大会の配信アーカイブは以下から見ることが出来ます。
【告知】RAGE Vol.2 ストV
本日の大会模様は明日アーカイブいたします!
アップされ次第、RAGE公式から告知いたしますので、しばしおまちくださいませ!#RAGE #ストV pic.twitter.com/tkpFPjE7FL— RAGE (@eSports_RAGE) 2016年7月31日
『RAGE Vol .2 GRAND FINALS』を2日間見て、豪華なゲストや演出を組み込んだ非常に満足度が高い仕上がりのイベントだったというのが率直な感想です。
おそらく、予算的には結構な額が投じられており、他のイベントが『RAGE』はやっていたのに、と言われて比較されたらちょっとかわいそうなレベルの豪華さでした。
イベント単体で回収出来ているとは思えませんが、CyberZ社が現在を土台作り的な位置づけとしていることや、今回のグループ会社タイトル『Shadowverse』採用なども含めて考えると非常に良い投資かつ展開ではないかと思わされました。
大会写真