株式会社CyberZが7月30日に「EBiS303」(東京・恵比寿)で開催したeスポーツ大会『RAGE Vol .2 GRAND FINALS』Vainglory部門でTeam GLが優勝となりました。
『RAGE』は日本におけるeスポーツの普及、日本発のeスポーツ世界大会開催を目指し「NEW GENERATION E-SPORTS」として立ちあげられたeスポーツイベントです。
第2回目となる今大会は、タッチデバイス向けMOBA「Vainglory」と格闘ゲーム「ストリートファイターV」を採用して開催。
これまでに実施されたオンライン予選を通過した強者達が、「EBiS303」にて最強の座をかけて競い合いました。
優勝チームに贈られるトロフィー
「GRAND FINALS」の各試合は、2試合を先に制したチームが勝利となる「Best of 3」方式で対戦。トーナメント形式は、負けたら即脱落となるシングルイリミネーション方式で実施。
出場したのは、Vol.1にも参戦した Team GLと ILLMATIC、そして個性豊かな Cinq Etoiles、 team Falcon 2の4チーム。
決勝戦は Team GL と ILLMATIC の対戦となり、激戦の末に Team GL が優勝となっています。
優勝: Team GL (STR1125, tatuki217, silver77)
準優勝: ILLMATIC (take_it_easy5, senpan, tototMix)
3位: Cinq Etoiles (pRtRuckbank, Brooklyyn, Lers)
3位: team Falcon 2 (rusk0723, VendettaRT, InvLetMeCarry)
ファイナル
セミファイナル1
ファイナルは一進一退のGame 1を制した Team GL が、Game 2でも中盤まで有利にゲームを展開。
そのまま優勝かと思われましたが、試合開始15分に登場する強力なモンスター「クラーケン」をめぐる攻防で大きく試合の流れが変化。「クラーケン」を倒したチームはそのまま強力な攻撃力とタフネスを誇る「クラーケン」を味方に付け敵陣に向けて侵攻することが出来ます。この「クラーケン」を奪い合う激しい集団戦を ILLMATIC が制し、いままでの劣勢を一気にひっくり返しての逆転勝利。
Game 3は Team GL が序盤からゲームを有利に進め、2-1で勝利し大会2連覇を達成しました。
Team GLは今大会、勝つことを絶対の目標としていたわけではなく、普段から楽しむことを第一にプレーしており、様々なヒーローを使ったりすることでその経験を試合に活かしていたそうです。
Team GL優勝の瞬間
大会写真
2016年4月、下記の通り『RAGE』を展開するCyberZ社にインタビューをさせていただきました。Vol.1が非常に素晴らしい演出であったということや、「RAGE」の世界観に興味があり、今回のタイトルについては詳しくありませんが大会を観戦させていただきました。
自分が見にいくのは基本的に知っているタイトルがほとんどなので、「あまりよく知らないタイトルを見た時に、大会を純粋に楽しめるものだろうか?」という疑問あったのでその確認的な意図もありました。
結果として、『RAGE』は選手を強烈に印象付ける演出、わかりやすい実況解説、DJを使った音楽演出による高揚感、会場が一体となる雰囲気作りといった工夫が凝らされており、非常に満足度が高い大会となっていました。
DJ KEKKE
『RAGE』は「Bring it on(かかってこい)!」を大会のタグラインとして掲げています。
今大会では、MCのハリー杉山さんを中心に会場で「Bring it on!」のコール練習を実施。
RAGE Vol .2 GRAND FINALS -Vainglory- pic.twitter.com/NDQMeZizPd
— Negitaku.org eSports (@negitaku) July 30, 2016
以降もハリー杉山さんが「Bring it on!」をみんなでやることを促していきます。
その後は、試合の開始に合わせて「Bring it on!」がコールされるようになり、それにあわせて観客達もスティックバルーンを打ち鳴らしながらテンションを上げていくようになりました。
MC・ハリー杉山さん
MC・小山ひかるさん
応援マネージャー・笠原美香さん
『RAGE』はチーム毎に紹介VTRを作成。
格闘ゲーム番組的なノリで、チームや選手に2つ名を付けたり、過激だったりユーモア名発言を切り出してつなぎ合わせることで、各選手を強力に印象付けていました。
大会前は選手を良く知りませんでしたが、今では何人かの選手はかなりのインパクトをもって記憶しています。
『Vainglory』はスマートフォンやタブレットでプレー出来るゲームということで、観客層は10~20代とみられる男女が中心といった印象でした。中にはカップル、子連れの親子などもいて、様々な層の観客がいました。
手作りの応援ボードやうちわを持参している人もいましたし、コミュニティで集まって応援に来ていると思われる方も多かったようです。
みんな大会をかなり楽しんでいました。
アニメ応援プロジェクトとして結成されたアニメ大好き女子のユニット「A応P」が、『RAGE』新テーマ曲「Beyond the Games」を担当することになりました。
今回、会場では「Beyond the Games」を「A応P」の生ライブが実施されました。
今は無くなってしまった『World Cyber Games』のテーマ曲「Beyond the Game」もeスポーツファンにはお馴染みです。
明日は初代テーマ曲「VICTORY feat. AK-69/般若/SIMON」の生ライブも実施予定。
無料観覧エリアもあるので興味のある方は是非ライブと合わせてを観戦しに来て欲しいと『RAGE』責任者CyberZの大友氏がコメントされていました。
写真中央
ファンを喜ばせる演出として、決勝戦終了後に突如として謎の挑戦者が登場。
なんとこれが、VaingloryアメリカNo.1チーム Hammers Velocity のメンバーたち。
会場のVaingloryファンはかなりうれしかったようで大興奮。
このサイトを見ている方で言えば、CS:GO、Dota 2、LoLのCloud9やTeam SoloMidのメンバーが突如現れたようなものと考えるとその興奮度が想像出来るのではないかと。
サプライズのエキシビションマッチとして、Hammers VelocityにRAGEオールスターズが挑むことに。
RAGEオールスターズは今大会の実況StanSmith氏(下記写真右)、解説Mokson氏(写真左)によりtatuki217(Team GL)、take_it_easy5(ILLMATIC)、rusk0723(team Falcon 2)の3選手に決定。
オールスターチームは Hammers Velocity に対し、遠距離攻撃型のヒーロー構成でゲーム序盤にアドバンテージを作っていき、このまま勝利するのではというような期待もありました。
しかし、 Hammers Velocity は体制を整えるとそこからはきっちりと対策してトリプルキルを含むエース(相手殲滅)の連発で一気に逆転しそのまま一挙に勝利となり、トッププロの実力を見せつける形となりました。
9月3日には日韓戦「龍虎杯」が開催されることが会場で発表されており、今後も日本チームが世界に挑むチャンスがあります。詳細は後日改めて発表となる予定です。
<
h4>7/31(日)は「ストリートファイターV」部門を開催
明日7/31(日)は「ストリートファイターV」部門を開催。
Capcom Cup 2015世界王者のかずのこ選手、EVO2016 SFV部門準優勝のふ~ど選手を含む有名プロゲーマーも予選を通過し出場予定です。
有料席以外に無料観覧エリアも用意されていますので、『RAGE』の世界を体験してみたい方はぜひ現地に足を運んで見てください。
大会の配信録画は以下から見ることが出来ます。
【アーカイブ】RAGE vol.2
昨日のVaingloryの大会模様がアーカイブされました!
お待たせいたしました!白熱した試合をもう一度!#RAGE #Vaingloryhttps://t.co/UI8Nxlk92E pic.twitter.com/sPyg129pvm
— RAGE (@eSports_RAGE) 2016年7月31日
基本的に今回の『RAGE Vol .2 GRAND FINALS』-Vainglory-は満足度が高く、楽しむことが出来ました。
良いことばかり書いている感じとなってしまっていますが、気になった点もあります。
それは、大会のことというよりも「モバイルeスポーツ」に関してなのですが、スマートフォンやタブレットを使ってプレーをする関係で、どうしても選手の顔が下向きになってしまい、選手の感情をうかがい知ることが出来なかったり、見映えがしないという点です。
この点を解決するには、物理的に画面を斜めにして選手の顔を上げる方法が考えられますが、プレーに影響が出るためこれを無理矢理適用するのは難しそうです。
将棋やオセロなどの競技でも競技者が基本的に下を向いている事例はありますが、選手の喜怒哀楽表現というのはeスポーツを楽しむ重大な要素の一つだと個人的には思っているので、何か上手い見せ方が開発されて欲しいところです。