14年の歴史を持つeスポーツの世界大会『World Cyber Games』が開催終了となることが明らかになりました。
こちらの情報は『World Cyber Games』を主催する「World Cyber Games Inc.」のCEOを務めるBrad Lee氏が世界中のパートナーに向けて送ったeメールによって明らかになったものです。
2014年、World Cyber Games Incは World Cyber Games World Fnalsを含むトーナメントおよびイベントを開催いたしません。
従って、各パートナーのみなさまはこの時点からWorld Cyber Gamesブランドを各国で使用することが出来ます。この決定は、現在のグローバルなトレンドやビジネス環境を考慮した後に、 World Cyber Games 委員会によって決定されました。
これはあなたにとってショッキングなお知らせとなるでしょう。World Cyber Gamesの全スタッフはこの発表に驚かされました。
14年間であなた方がしなければならないのはWorld Cyber Gamesを世界で最高のイベントとすることで、あなたの献身に基づくたくさんの素晴らしい瞬間があります。ブランドは無くなりますがWorld Cyber Gamesのスピリットは永遠にプレーヤーやファンの心に残ります。
この瞬間は私にとって非常に困難で痛ましいですが、World Cyber Gamesにお別れを言わなくてはなりません。
14年間におけるあなたの情熱と熱狂に感謝いたします。
御社の成長と繁栄を願います。私たちは再びすぐにお目にかかることでしょう。
Brad Lee
World Cyber Games Inc. CEO.
開催国 | 賞金総額 | 参加者数 | 参加国数 | |
---|---|---|---|---|
WCG Challenge | 韓国 | $200,000 | 174 | 17 |
WCG 2001 | 韓国 | $300,000 | 430 | 37 |
WCG 2002 | 韓国 | $300,000 | 462 | 45 |
WCG 2003 | 韓国 | $350,000 | 562 | 55 |
WCG 2004 | アメリカ | $400,000 | 642 | 63 |
WCG 2005 | シンガポール | $435,000 | 679 | 67 |
WCG 2006 | イタリア | $462,000 | 700 | 70 |
WCG 2007 | アメリカ | $448,000 | 700 | 75 |
WCG 2008 | ドイツ | $470,000 | 800 | 78 |
WCG 2009 | 中国 | $500,000 | 600 | 65 |
WCG 2010 | アメリカ | $250,000 | 450 | 58 |
WCG 2011 | 韓国 | $303,000 | 600 | 60 |
WCG 2012 | 中国 | $258,000 | 500 | 40 |
WCG 2013 | 中国 | $306,000 | 500 | 40 |
『World Cybeer Games』は2000年にテストとして『World Cyber Game Challenge』が行なわれ、その翌年から本格的にスタート。最も参加数が多かったのは2008年のドイツ大会、賞金総額が一番高かったのは2009年となります。
ちなみに、日本は2000年から同大会に出場をしており、様々なタイトルで金メダリストをを輩出しています。
『World Cyber Games』が終了となる理由は上記の通り「現在のグローバルなトレンドやビジネス環境を考慮した結果」と発表されました。
このあたりをいろいろな材料で補足 & 予想していくと以下のようなことなのではないかと思います。
グローバルスポンサーのサムスンの業績が不調?
『World Cyber Games』は韓国のサムスン電子がグローバルスポンサーとなり開催が行なわれてきました。そのサムスンは、ウォン高の影響で業績が不調な状態となっています。
PCとモバイルの出荷数逆転現象
『World Cyber Games』は2012年に、勢いを増すモバイルにフォーカスしようとメインタイトルをPCからモバイルゲームに変更しようと試みましたが、方々から反発があったようでこの計画は実行されませんでした。
サムスン電子はモバイル端末のメーカーでもあるので、PCに注力するのは止めたいのかもしれません。
『World Cyber Games』以外の大会が台頭し、ブランド力が低下?
先に掲載した表でもわかるように参加者する選手数や国が近年は減少傾向となっていました。
また、採用タイトルに韓国や中国企業のゲームが増えた他、『Global StarCraft II League』『DreamHack』『Intel Exreme Masters』『League of Legends Championship Series』といったグローバルな大会が注目を集めるようになり、欧米のチームやプレーヤーはこちらに参加するケースが増え、ここ2~3年ほどは欧米のニュースサイトで『World Cyber Games』の特集はあまり見られなくなっていました。
一方、アジアでは人気があり2013年に開催された大会では、2012年から4万人増となる15万人が会場を訪れたとのデータが発表されています。
今年と去年に個人的にTwitterに書いた感想が以下になります。
WCGのサイトが更新されていたのでWCG2012の総括が出たのかと思ったら「開催するよー」という記事がいまさらアップされてWCGって本当に残念な感じになってしまったんだなーと思った。http://t.co/c5jI9skI— Yossy (@theworld) December 13, 2012
World Cyber Games2013どうなっているのかなと思って海外サイト見て回ったけど、ヨーロッパとかアメリカのサイトはDreamHack Winter2013を追っていてほとんどニュースが無かった。逆に中国のサイトはがんばりすぎてた。— Yossy (@theworld) November 29, 2013
eスポーツは2009年頃の世界的な経済不況の影響でスポンサーが撤退するなど、かなりの落ち込みを見せていましたが、ここ数年は上り調子という印象です。その一方で、現在は最も歴史があるeスポーツ大会である『World Cyber Games』が終了してしまうのは残念でなりません。日本が最も参加しやすかった世界大会でもありますし。
一般向けにアナウンスが行なわれた際には、その内容について紹介したいと思います。
2010~2012年しか見てませんでしたが残念です…
WCG 2011 highlights
holy shit
前々から採用タイトルには疑問を感じていたが
まさか開催終了するとは…
各種目のWCGまとめが楽しみだ