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競技ゲーミングの普及を目指すアマチュアリーグ『Japan Competitive Gaming(JCG)』のディレクター 松本(まつじゅん)氏インタビュー(後編)

松本(まつじゅん)氏インタビュー

先日設立が発表された競技ゲーミングの普及を目指すアマチュアリーグ『Japan Competitive Gaming(JCG)』のディレクター 松本順一(まつじゅん)氏にインタビューを行なってきました(後編)。

※インタビュー時に会話に夢中になって写真を撮れなかったので、4/19(金)に行なわれた事業説明会の写真を使用しています

Japan Competitive Gaming(JCG) インタビュー (後編)

JCG は eスポーツ界の進化と日本の現状におけるギャップを埋めるため、基盤となるアマチュア層の充実を測るために設立されたものです。

JCG はパソコン用機器の販売などを手がける株式会社マイルストーンの新規事業としてスタートしたもので運営責任者として RTS 系タイトルのコミュニティ運営や実況配信で有名な「まつじゅん」こと松本順一氏が就任しています。

個人的に気になったことを質問してきました。長くなったので前編で今回の取り組みを行う事になった経緯的なお話、後編で今後の展開などについて紹介していきます。

おそらく、ウチのサイトで事業発表のニュースを載せたら「FPS を入れてほしい」というコメントが付くのではないかと思うのですが、今後そのような予定はありますか?

まつじゅん: 現在のタイトルは、これまで僕がやってきたタイトル、わかっているタイトルを選んでいます。FPS についてももちろん可能性はあると思っています。

ただ、採用していくのはまず軸になれる人ありきになるのですぐにというのは難しいかもしれません。

タイトルに対する熱意や意欲とそれなりのコミュニケーション能力、途中で批判されてもくじけない心があるパートナーが必要ですね。僕らはプレーヤーさん達に受け入れてもらえて遊んであそんでいく仲間を増やしたいというコンセプトなので、そういったことに共感して僕らと一緒にやってくれる人とやりたいです。

今後マイルストーンでスタッフの募集はしていきますか? ゲーミングや eスポーツは以前に比べたら認知も広まってきて、仕事としてしていきたいという人も増えてきているのではないかと思うのですが。

まつじゅん: もちろん募集します。まだ事業も始まって間もない状況ですので一気に何人もというわけにはいきませんが。

僕はまずゲーマーであることを前提に採用をしたいと思っています。昼休みにはとりあえずワンゲームみたいな人。趣味と仕事の境界線をできるだけ無くしたいです。ゲームが趣味です、生きがいですというような人。

お金をもらえるからやるというような感じではなくて、普段からもうすでに趣味でやっているような人たちが良いと思っています。

いま探しているのは、動画編集、番組企画とか映像系のことが出来る人です。配信やハイライトムービーなど動画をメインに展開していくのでこの当たりのことができるゲーマーさんが必須ですね。

あとスタッフ募集とは違いますが、大会やゲーミングの魅力を伝えることができる実況や解説が出来る配信者ですね。これは、真剣に実況をやっている、熱意や覚悟があるという人を募集したいです。長期的に大会を運用していくので途中でやっぱりやめます、ということでは困ってしまうので、週末や夜にある程度時間の取れる人にお願いしたいですね。
なかなか厳しい条件とは思うのですが、我こそはという人はぜひ。

まつじゅん

現在、マイルストーンで事業に関わっているスタッフはどのくらいいるのでしょうか?

まつじゅん: 専属は僕ともう 1 人で、あとは兼任で 2 人に手伝ってもらっています。
サイトのデザインとか構築は外注で、いままでおつきあいのある方やこの世界のことについてわかっている方にお願いしています。その方が良い物ができると思いますし、実際に 1 を言ったら 10 くらいのものを作ってくれていて。
そのせいなのかスケジュール的には難航しているのですが(笑)

まつじゅん

StarCraftII や League of Legends のコミュニティサイトを運営されていますが、こちらはどうなっていくのでしょうか?

まつじゅん: 僕は基本的に JCG の運営の方にまわっていくことになります。なので、自分がいなくても機能するような仕組みにしてコミュニティサイトの方の運営も継続して行きたいと思っています。

JCG は土曜日に大会を実施しないということにしているので、土曜日にコミュニティのイベントを行なったり、ユーザーさん主催の大会を盛り上げたりとコミュニティの活動を適切に紹介していきたいと考えています。

運営の方がメインになっていくとのことですが、まつじゅんさんはコミュニティ運営の他に配信者としての活動もされています。JCG での実況配信はしないのですか?

まつじゅん: JCG は競技としての見せ方を重視していきたいので、各タイトルにゲームについての深い知識やスキルを持った専門の配信者にお願いしたいと思ってます。

将棋の解説などのように、いまのはこういう意図の作戦であるとか、こういう読みだろうという上級者だからこそわかるようなことを、わかりやすく視聴者のみなさんに伝えてもらいよりゲームに興味を持って頂けるようにする感じを目指したいですね。

ですので僕は JCG で配信をメインにはしないです。

これまでの視聴者から「まつじゅんさんの実況配信を見たい!」というリクエストがきっとあると思いますが。

まつじゅん: あるかな? そうだとうれしいですが(笑)

僕はそんなにゲームが詳しくて上手いわけではないので、初心者やそのゲームを知らない人が「あっこれ楽しいかも」と思えるような配信を心がけています。
毎週日曜に実施するコアな大会とは別に、平日には誰にも参加できるイベントを実施するような展開を考えているのでそちらの方の配信には入っていこうと思っています。

あとは、ゲーム開始前や試合間については本スタジオからの配信になるので、そちらにも参加すると思います。

JCG の試合については専門の方。それ以外やプライベートでは配信します。

いままでやっていたような、他の会社のイベントで実況解説を実施したりするようなことは?

まつじゅん: そういうこともやっていきたいと思っています。JCG ではない大会の予選や配信の代行とか。
例えば、僕らのプラットフォームを使って他社さんの大会予選を実施して、オフライン決勝大会は運営元の会社さんにやっていただくようなことですね。

JCG は「囲い込み」みたいなことをしていくつもりはありません。
プレーヤーの方は他の大会などに出場していただいてかまいません。
僕らも自分たちの大会しか運営しない、というわけではないです。

今はもう無くなってしまいましたけど Championship Gaming Series という海外大会は高額な給与を保証するかわりに他の大会には出て行けないというルールでしたね。それで、CGS で採用されていない違うタイトルで大会に出てたら処罰されていたりしてコミュニティで話題になっていました。

まつじゅん: へー、そういうことがあったんですね。
僕はその人の可能性やチャンスをつぶしたくないという考え方です。
他の大会に出たいと言っているのにそれを止める権利はありません。
JCG に出場して腕を磨いてもらって、他の大会や海外大会に出て欲しいです。

まつじゅん

なるほど。結構いろいろと聞いてきた感じですね。聞こうと思っていたことも大体知ることが出来ました。

まつじゅん: 随分長くなってしまいましたが大丈夫ですかね(笑)

さっき「eスポーツ」の話をしましたけど、個人的に eスポーツって子供にとってどうなんだろうと考えているんですよ。RTS 系はもちろん FPS や格闘ゲームのイベントもいろいろ見に行くんですけど、いま eスポーツをしている人は中高生など若い方がいっぱいいますよね。そういう若い人達にゲームをプレーすることを勧めていくのは良いことなのか悪いことなのか。

結論として、僕は良いことだと思っているんです。

子供からゲームを取り上げるのは不可能。子供がゲームを好きになった時にどこに向かわせるか。ゲーミングというのは真剣なコミュニケーションの場だと思っているので、プラスの要素が多いと思います。個人的に親が「どうせゲームをやるならゲーミングをやれ」というような風になって欲しいですね。

自分の子供にもゲーミングをやることで、プロにはなれないとしても人生のプラスになるよ、ということを言いたいですね。

これは最後のまとめ的に良い感じのお話だなあ。これでまとめても良いですか?

まつじゅん: ええ?! これで大丈夫ですかね(笑)

JCG はどうしたら誰でも参加できるゲーミングの場になるかを考えて作った大会です。老若男女、ライトに楽しみたい人から真剣に世界を目指したい人、プレイはしなくても観て楽しみたい人までゲーミングに関わる多くの人たちが毎週のように参加して楽しい、見て楽しい場にしたいと考えています。

まだまだ手探りの部分も多く、そのためにも多くの方に意見を伺ったり仕組み自体を変えたりすることはあると思いますが、基本理念は変わりません。一緒に成長していきたいと思いますので、これからよろしくお願いします。

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この他にもいろいろなお話を聞くことが出来たのですが、今回ご紹介できるのは上記のとおりです。今後もいろいろな展開を予定されているとのこと。RTS 系プレーヤーには非常に頼もしい展開だと思いますのでサイト等ぜひチェックしてみて下さい。

参考

この記事を書いた人
Negitaku.org 運営者(2002年より)。Counter-Strikeシリーズ、Dota 2が大好きです。 じゃがいも、誤字脱字を見つけるのが苦手です。

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コメント (0)
  1. mizuiro より:

    楽しみにしています。