2013 年 2 月 13 ~ 14 日に日本で開催された世界最強チームを決定する『Alliance of Valiant Arms International Championship 2013』で ahq_e-SportsClub が優勝となりました。
『Alliance of Valiant Arms International Championship 2013』はオンライン FPS『Alliance of Valiant Arms』の世界大会で、各国の予選を勝ち抜いた 6 チームが参加し世界最強チームが決定されました。
順位
ahq_e-SportsClub が圧倒的な強さを見せつけ、完全優勝となっています。
出場チーム
1 次予選
2 次予選
決勝ーナメントの会場は、東京・六本木の『ニコファーレ』。動画サイト『niconico』の関連施設で、室内の壁がすべて LED となっており、映像や『ニコニコ生放送』のコメントが映し出されるという特別な環境で対戦が行なわれました。
対戦は爆破モード(5vs5)で行なわれ、13 ラウンドのうち 7 ラウンドを先取したチームが勝利となります。勝利条件は相手全員を倒すか、C4 の爆破もしくは解除となります。
最大 3 マップでの対戦を行ない、2 マップで条件を達成したチームが勝利することができます(決勝は 5 マップで対戦し 3 マップ先取)。
ニコファーレ会場での実況を mejika 氏、解説を井上プロデューサーが担当。
また、ニコニコ生放送ではMC もるちゃん 氏、解説 CherylNome 氏、アシスタントを 井上直美 さんが出演し大会の様子を放送していました。
準々決勝は 2 次予選 3 位の CoolBoys と 2 次予選 2 位 Astrick- の対戦。
CoolBoys は日本のゲーミングデバイスブランド『ARTISAN』がスポンサードする国内のトップチームです。対する Astrick- は韓国最強チームで、これまで過去に行なわれた日韓戦でも日本チームを苦しめています。
ただ、 Astrick- は兵役の関係でメンバーが変更になったばかりで、今回のメンバーでの練習量が少なく不安が残っています。予選での対戦では Astrick- が勝利していました。
初戦は守りが有利とされる「AIRPLANE」での対戦。
攻守はコイントスによって決定され、 CoolBoys が攻め側からスタートしました。
先攻の CoolBoys は立ち上がりから 3 人を倒して有利な展開を作り、そのまま全員を難なく倒して 1 ラウンド目を獲得。
しかし、 Astrick- も負けてはおらずすぐさま 2 ラウンド目を取り返します。 Astrick- はゆっくりと攻める CoolBoys に対して、徐々に前へと詰めていくことで居場所をさぐりそこから 2 ~ 3 人で倒していく展開でラウンドを連取。前半ラウンドを Astrick- が 4-2 でリードして後半へ。
CoolBoys からは「集中していくよ!」とかけ声がかかりますが、後半も Astrick- がツーマンセルの動きにサポートが加わる形で CoolBoys を次々に撃破し 7-4 で 1 マップ目を勝利します。
2 マップ目は「INDIA」での対戦。こちらも守りが有利なマップとなっており、日本が攻撃側からスタート。試合の流れは前の試合と同じく、ゆっくりと攻める CoolBoys を Astrick- が着実に倒していく流れとなり、前半 1-5 と CoolBoys がかなり不利な展開に。
後半は Astrick- が 1 ラウンド目をとりリーチに。後がない日本が CoolBoys はここから 2 ラウンドを連取し反撃開始が期待されましたが、3 ラウンド目を落としてしまい 7-3 で Astrick- が準決勝に進出となりました。
解説の井上プロデューサーは、「 Astrick- の作戦が非常に上手くいっており、 CoolBoys は裏目に出て行ってしまった場面があったのではないかと思います。両チームに大きな差は無いが、その部分が結果につながったのでは」とコメントしていました。
準決勝は、2 次予選を 1 位で通過した DeToNator と準々決勝を勝ち上がった Astrick- の対戦。
DeToNator は日本最強の Alliance of Valiant Arms チームで、PC ハードウェアの『ELSA Japan』、そしてゲーミングデバイスブランドの『SteelSeries』に支援を受けて活動しています。
「ELSA」「SteelSeries」のロゴ入りユニフォームを着用
DeToNator は試合前に「韓国最強の Astrick- を全力で倒します。いつも通りやるだけです」とコメント。対する Astrick- は「初戦のように今回もがんばりたい。対 DeToNator 用の作戦なく、いつもどおりプレーします」と、お互い普段通りのプレーを心がけるコメントとなりました。
1 マップ目は「BLACKCENT」でコイントスの結果、日本が先攻でスタート。
DeToNator はラッシュ気味に攻め込みますが韓国が撃ち合いを制し数的有利を作り 1 ラウンド目を獲得。そのまま 2 ラウンド目も取られリードを許しますが、DeToNator はメンバー同士が諦めることなく細かな報告で情報を共有しあうことで着実にチャンスを作り、前半を 3-3 のイーブンに戻して折り返します。
後半も韓国が 2 ラウンドを連取してリードする流れですが、3 ラウンド目に Shaka 選手がダブルキルで数的優位を作ったり、4 ラウンド目には Dark_yp 選手がファストキル、そして終盤では撃ち合いを長引かせて仲間が詰める時間を作るという頭脳 & チームプレーで次々にラウンドを制覇。不利な印象がありましたが結果的に 7-5 で DeToNator が勝利します。
DeToNatorは『SteelSeries Flux In-ear Pro』をヘッドセット下に着用
続く 2 マップ目は「AIRPLANE」での対戦。
前半は声が出て連携の良い日本が6 マップ中 4 マップで 1st killを取り、それに合わせてラウンドを獲得し 4-2 とリードします。
後半 1 ラウンド目を韓国が取ったところで Saih4tE 選手から PC トラブルが報告され試合がしばらく中断。PC を再起動して再開されましたが、集中力を切らさなかった日本が中断開け直後から一気に攻め込みラウンドを獲得。
しかし、韓国は以降順調にラウンドを重ね後半 5 ラウンドで 6-5 とリーチをかけます。あと 1 本取れば勝利の韓国でしたが、なんとここでまた Saih4tE 選手の PC にトラブルが発生し試合が中断。2 回目ということで PC が交換となり 15 分近いインターバルとなってしまいました。
PC トラブルにより思うようなプレーが出来ていなかったのか Saih4tE 選手が気落ちしているような印象がありましたが、チームマネージャーの MaxJam 氏が「みんな大丈夫か?」「深呼吸していこう!」と各選手に声をかけ気持ちを途切れさせない配慮をしていました。
試合中断中、選手に声をかけていくマネージャーの MaxJam 氏
試合開始後は Shaka 選手が Astrick- の司令塔 eNyo 選手を早々に 1st kill し、そのまま全滅させます。最終ラウンドは、 DeTonator が勝てば決勝進出、 Astrick- が勝てば最終マップに突入という運命のラウンドとなりましたが、中断開けの前ラウンドを制した日本は声が出ており非常に勢いがあり、最終ラウンドを獲得して 7-6 で勝利し決勝へと進出しました。
勝利の瞬間を 3 連続でどうぞ。
試合後に Dark_yp 選手は「すごくうれしいです。トラブルがありましたが、切り替えをして気合いを入れました。それが勝ちにつながったと思います。押され気味だと感じていましたが、要所でキルが取れていたと思います。ここまできたからには優勝しかないので、応援よろしくお願いします!」とコメントし、 ahq_e-SportsClub との対戦に挑むことになりました。
決勝は 1 次予選を 4 勝 0 敗と 1 位で通過した ahq_e-SportsClub と、2 次予選・決勝トーナメントとこちらも負け無しで勝ち進む DeTonator の対戦。
ahq_e-SportsClub が 1 次予選を通過しそのまま決勝トーナメントに進出したので両チームの対戦は今大会この決勝が初となります。
試合前のコメントで DeTonator の Dark_yp 選手は「チームのコンディションは最高です。全勝で勝ち上がってきた台湾は最強の敵だと思いますが、全力で挑みたいと思います」とコメント。
対する ahq_e-SportsClub は勝利は揺るぎないものと確信しているのか「必ずチャンピオンになります」とシンプルなコメントのみを残していました。
登場時から No.1 をアピールする ahq_e-SportsClub
決勝トーナメントはこれまでと異なり、3 マップを先取したチームが勝利となる Best of 5 にて実施されます。
1 試合目のマップは守りが強いという「HAMMER BLOW」での対戦で先攻は DeTonator。
解説の井上プロデューサーは「HAMMER BLOW は日本と台湾の差がわかるマップだと思います。守りが強いので、攻めの DeTonator がここを乗り越えることが出来れば日本が有利ということになります。」と今後の展開を占うラウンドになると予想。
試合は日本が 1 ラウンド目をとりそのまま交互にラウンドを取り合い 2-2 に。台湾は報告が的確なのか非常に動きが速く統率の取れた動きで着実に撃破を繰り返し、4-2 で前半をリード。
後半も非常に声が出ている台湾は全員攻撃から設置し、数がへらされますが 47 選手のダブルキルで一気に優勢となりそのまま勝利。
対する DeTonator も負けてはおらず、NiccoRob1N 選手が AR 選手とのスナイパー対決を制して 1st kill を獲得。日本はそのまま 2 ラウンド、3 ラウンドを取りますが、4 ラウンド目で台湾がリーチ。諦めない DeTonator は 5 ラウンド目を獲得したものの、6 ラウンド目で設置に成功した台湾がそのままラウンドをとり 1 マップ目を獲得しました。
2 マップ目は「INDIA」での対戦。
1 ラウンド目は DeTonator が 1st kill、台湾の 47 選手がダブルキル、そして NiccoRob1N 選手が 3 人し勝利という非常に派手な展開に。以降は台湾が圧倒的な aiming 力、そして機動力を見せつける展開で前半を 4-2 とリード。
後半も台湾の攻撃は衰えることなく、47 選手、6c 選手、bo 選手が次々にフラグを獲得し大きくスコアを広げ、2 マップ目を 7-3 と危なげなく勝利し世界王者に王手をかけました。
後がない DoToNator だが決してあきらめた様子はみられなかった
3 マップ目は「AIRPLANE」での対戦。
日本が攻め側からスタート。AR 選手がスモーク越しに敵を撃ち抜くスーパープレーで 1st kill から、4-2 と数的有利な展開を作って日本を殲滅させ 1 ラウンド目を獲得。2 ラウンド目も台湾に 1st kill を取られ流れを掴みきれない日本ですが、3on3 の設置から取り返しを阻止してラウンド獲得。前半はこのままシーソーゲームとなり 3-3 のイーブンで折り返し。
有利な守り側で勝利を狙う日本が後半 2 ラウンドを連取。しかし、台湾は 47 選手、AR 選手が圧倒的な aiming で一気にねじ伏せる展開も見せ以降 4 ラウンドを連取。台湾が今大会 1 マップも落とすことなく優勝となり、世界王者の座を獲得しました。
試合後のインタビューで台湾の DP 選手は「うれしいです。みなさん応援ありがとうございます。」とコメント。各試合の感想については「ゲームを楽しみながら、忠実なプレーを出来た」と応えていました。
Dark_yp 選手は「正直、レベルの差を感じざるを得ない相手でした。射撃も動きもが上でした。今後は、彼らを目標にがんばっていきたいと思います」とかなりの強敵であったとコメントしていました。
井上プロデューサーは「台湾は射撃で撃ち勝つシーンが多く、動きが非常に速かった。あのスピードは世界大会でしか経験出来ないもの。以前は Astrick- が立ちふさがり、今度は台湾が出てきた。日本が切磋琢磨し、負けないためにはどうしたらよいか考えて欲しい。スピードある戦いを今後日本でも見せて欲しい」と決勝の感想を述べました。
今大会はニコニコ生放送、USTREAM、Stickam を通じて配信され、視聴者数は予選 7 万人、決勝 13 万人と合計で約 20 万近い視聴者が観戦したそうです。
試合の実況放送のアーカイブは、ニコニコ動画のタイムシフト機能を使用して見ることができます。
大会の途中では、『Alienware Battle Grounds 2013』にて最大 1,152 名の参加で行なわれるオンライントーナメントの開催が発表されました。詳細については明日に正式発表予定で、賞金の提供も行なわれるとのこと。ゲームモードは護衛でも爆破でもないそうで、どんなチームにもチャンスがあるルールになるそうです。
『Alliance of Valiant』および『Alienware Arena』のサイトを明日チェックしてみてください。
AVAやった事ありませんが、見てて楽しかったです!
サンドウィッチマンや
coolboys…?