2010 年 11 月 27 日(土)に電気通信大学にて行われた『第 8 回 IGDA 日本デジタルゲーム競技研究会』の講演『「Ragnarok Online World Championship」における、日本国内での取り組み』についてのレポートです。
講演は、ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社 ゲーム事業部 オンライン本部 パブリッシング部 第一企画課 主任 中村聡伸 氏によって行われました。
こちらに参加してきましたので、同講演の内容を要約して紹介していきます。
MMO RPG 『ラグナロクオンライン』は、2002 年から日本でサービスが開始されました。
現在では、ゲームだけにとどまらず、イベント、コスプレ、同人活動など様々な遊ばれ方をしています。
この中の楽しみ方の 1 つとして、競技性の高いゲーム大会イベント『Ragnarok Online World Championship』が世界規模で展開されています。
Ragnarok Online World Championship(RWC)
ルールは上記の通り、公平となるよう配慮されています。
日本代表は 2004 年からこの大会に出場していますが、同年に 1 回戦を突破したのを最高に、2008 年までは初戦敗退を繰り返していました。
しかし、2009 年に優勝、2010 年には準優勝と飛躍的に成績を向上させています。
この結果は、プレーヤーの努力・運営サイドによる日本代表のサポートによって実現されました。
一体どのような取り組みが行われたのでしょうか?
Hac: とりあえず一度初心に戻って、過去のスタイルに戻そうと考えております。
WeMade広報部: え、「CODE NAME STING」時代に戻すんですか?
Hac: いや、全部というか、今すでに楽しんでいる方がいらっしゃいますし、その方がまず一番大切なお客様ですから、その方々の意向、経過を見つつ、色々試していこうと思っています。
現在すでに進めているMODシステムに関しましては、これ自体は素晴らしいものだと僕自身は思っています。
やり方、見せ方、色々考える中でスタッフらと、協力いただいているMODクリエイターさんらと共にこの部分については、更に進めていきたいと思います。
最近、ログインなさっていない方もいらっしゃると思いますが、MODマップが現在全部で10個も増えましたので、当時に比べたら別世界と思えるはずです。
WeMade広報部: そうなんです
Ragnarok Japan Championship の開催
ガンホー社は『Ragnarok Online World Championship』の認知度向上を目指し、『Ragnarok Online Japan Championship』(RJC)の開催を 2005 年から開始しました。
同大会は、オンライン予選とオフライン決勝戦に別れており、予選を勝ち抜いた 8 チームが日本代表の座をかけて大会に挑みます。
『Ragnarok Online』は非常にプレーヤー数が多いゲームですが、やはり競技に興味を示す層というのは限られています。
そこで、興味のない層に会場に足を運んでもらい、そのきっかけで競技を知ってもらい人口を増やすというアプローチとして、『ラグナロクオンライン ファン感謝祭』を開催する試みが行われました。
同イベントでは、限定グッズの販売、イラスト・デザインコンテスト、同人・コスプレイベント、最新情報の先行公開など様々な催しが行われています。
3,000 人の来場者から始まった同イベントは、今年は 6,500 人の参加を記録するほどに成長して大会の観戦者も会場に入りきれない程に増えています。
また、メディアを会場に招待して解説を交えてリアルタイムで試合を観戦してもらう他、ギルドへのインタビュー機会を提供するなどしてメディア露出を増やす一方、大会ブログのリアルタイム更新、USTREAM やニコニコ生放送での中継を行うなど自らも大会についての情報発信を積極的に行っています。
分かりやすく観戦してもらうための試み
競技に興味をもらう事が出来たとしても、それを見て楽しんでもらうためにはゲームをある程度理解してもらう必要があります。
講演前に世界大会の動画が流れていましたが、正直なところ何が行われているか全く理解することが出来ませんでした。
これを解決するために、2009 年大会からは解説者の役割を強化し、試合前の準備時間に「仕組み・マップの紹介」「試合の見どころ」「どこを見ると楽しめるか」といった解説を行なったり、選手のプロフィールやチーム紹介をするなどして感情移入して観戦できる環境を構築していったとのこと。
これにより、いままでよりも多くの人が競技を楽しむことが出来るようになりました。
ある程度の認知が得られるようになったところで、さらなる認知向上を推し進めるためには日本代表チームの強化が不可欠となって来ました。
カーリングやフェンシングの日本代表選手がメダルを獲得することで、いままで注目されていなかった競技に興味を示す人が増えたように、新たな層にアピールするには日本代表が活躍していなければならないと考えられたからです。
日本代表を強化するために、ガンホー社は以下のような取り組みを行いました。
3-1. 練習機会を増やす
3-2. 世界大会と同環境を提供
3-3. 日本代表としての意識を高める
公式サイトから応援メッセージを募集し、それを寄せ書き風にして試合当日に選手に手渡したところ、自分たちが多くのプレーヤーから応援されている日本代表である事を自覚してもらう事が出来たとのこと。
「お客様」から「日本代表選手」の昇格を目的として、このような日本代表としての意識を高めるための試みが行われています。
2009 年に日本で開催された世界大会では、地元のアドバンテージとしてコミュニティのユーザー達が各国ギルドの試合情報を随時伝えることが出来たため、多くの情報を戦略に組み込む事が出来ました。
2010 年にインドネシアで開催された大会は、選手サポート・ルール解説・通訳を担当する 3 人のスタッフが付き添い、日本代表選手がプレーしやすい環境を作るよう徹底的にサポート。
番組用に撮影した各国の試合動画を選手に提供し、後の試合の戦略分析に使用してもらうといった事も行われ、これは選手から非常に好評だったそうです。
日本のトップチームは、「Dekopin」「Greensleeves」の 2 強状態となっており、2 年連続で日本の決勝戦はこの 2 チームが対戦。2009 年は Dekopin が、2010 年は Greensleeves が代表として世界大会に出場しています。
これは運営側が用意できるものではなく、意識の高い選手達のおかげで高いレベルでお互いに切磋琢磨してもらう事が出来ています。
より競技人口を増やし、この層を厚くしていく必要があると考えられています。
ガンホー社の取り組みにより、人口の拡大・日本代表の活躍などは見事に実現されました。
今後の課題として、以下の 3 つが上げられています。
個人的には、日本代表としての意識を持ってもらうための試みに関するエピソードが印象的でした。
大会やイベントを運営する方には特に参考となるお話だったのではないでしょうか。
今回の講演で使用されたスライドは、後日『IGDA 日本デジタルゲーム競技研究会』の公式ブログで公開される予定となっています。
eスポーツについては、『デジタルゲームの教科書』の第 15 章 デジタルゲームを競技として捉える「e-sports」にて詳しく解説されているのでご一読を。該当部分はリンク先にあるお試し版で読むことが出来ます。
ね。すみません。僕も最近はなれてました。
Hac: ちなみに本日のアップデートでBGM協力頂いている「MISSPRAY」さんのBGMを復活実装させました。
これは個人的には結構、望まれていたこともあって、少しうれしいです。
みなさんもこれを聴きながら、久しぶりに気合入れちゃってください!
WeMade広報部: それは私も憶えています。あの曲結構好きでした。
何でなくなったのかなーとは、思ってましたが…
Hac: 開発元との色々な問題がありまして…
まー、そこは触れないでおきましょう。
他にはですね、過去の「CODE NAME STING」時代の、色々批判があがったアバターなどは最近少しずつ戻したりはしてます。すべて要望があったからですがね。
WeMade広報部: そうなんですか。他にゲーム性に関わる部分においては現状と今後においてはどのように変わっていくのでしょうか。
Hac: 正直、すごく変わるというのは難しいというのが現状でして、ただ感覚的にはもう一度建て直しが必要であると思っています。
とてもじゃないぐらい簡単ではなく、至難の業に近いとは思っていますが…
そのための段階としては、とりあえず現状準備しているもの、特には元々うたっていた日本限定キャラクター関連の大型アップデートをまず開発を完了させます。
ちなみに「神宮寺ウテナ」という女性キャラクターがいるのですが、それは急ですが来週実装できないかと考えております。
現在テスト中ですので、具体的には確約できないのですが、まずは開発が進んでいるものをすべて進めて、そこから新たに落とすものと、入れるものを精査しようと考えています。
WeMade広報部: 現在新たに準備するものでお客さんが楽しめそうな新コンテンツの準備などはどんななのでしょうか。
Hac: 遂に実装となる女子高生ですかね。
ちなみに、競合他社さんで女子高生キャラクターを発表していましたが、正直負けます!
新生「STING」としてゲーム公開した3月も実感したことですが、クオリティーが低いです。
徐々にクオリティーを上げるとの事でしたが、本当に徐々に上げられたので、つらかったのですが、それはしょうがないです。いろんな問題が絡まっているので…
WeMade広報部: クオリティー高くして出すべきなんではないでしょうか?
Hac: 問題はまず、
①そんな事言ってられる状況ではない。
②いつに完成形まで出来上がるかわからない。
③それだけがんばるよりか、それ以外でがんばってもらう部分が大きいので。
こんなところが言い訳として言えます。
WeMade広報部: なるほど。
Hac: ただ、だからといって、最悪なのかとそういったわけでもありません。
そんな中でも実装を予定するフリーフォーオールモー
1)ホワイトデーイベント
キャンペーン期間中にチャレンジモードを 20 回クリアすると、
スプレーアイテム「ハートスプレー(左)」を獲得できます。
また、ショップでは「ハートスプレー(右)」がクレジット販売されます。
そして、この 2 つのスプレーを揃えると「愛のハートスプレー」となり、
完全な形のハートマークスプレー(無期限)を獲得できます。
2)チャレンジモード体験イベント
新しく実装された「チャレンジモード」のそれぞれのマップを
規定時間内にクリアすると、特別褒賞を獲得できます。
●ジャンプ 1 …… 1 分以内にクリアで「M4A1(3 日)」
●ラン 1 ………… 30 秒以内にクリアで「CV-47(3 日)」
実施期間: 3 月 11 日(木)~ 4 月 7 日(水)
※このイベントは、期間中にそれぞれ 1 回のみ遂行可能です。
3)NEXON 公認ネットカフェ特典スペシャルキャンペーン
キャンペーン期間中は、ネットカフェから接続すると
従来の特典である「クレジット獲得量&経験値量 20% アップ」が
それぞれ 40% に増量されます。
4)新学期応援キャンペーン
以下の 2 つの条件を満たすことで、1 日につき計 2 個の
「新学期応援補給箱」を獲得できます。
「新学期応援補給箱」は「情報」欄で使用でき、
開封後は新規参入や復帰に役立つさまざまなアイテムが出現します。
【新学期補給箱 出現アイテム例】
※他にもさまざまなアイテムが出現します。
暗号箱に、以下のアイテムが追加されます。
K1ASE
30 発の 5.56mm 弾を使う機関短銃です。
安全性が高く、中距離での対応にも優れています。
攻撃面が強化されており、既存の K1A よりも高い威力を誇ります。
F2000
30 発の 5.56mm 弾を使用するこのブルパップ式突撃小銃は、
早い連射速度と安定した命中率を誇ります。
しかし銃器本体が重く、移動速度が遅くなります。
画面上部の「ランキング」より、
各ステータス / モード別の記録を閲覧できるようになります。
※ランキング記録の更新には、項目により最大 1 日かかることがあります。
ドや新MODマップなど、色々控えていますので、一度試しては欲しいと思いますね。
とりあえずは来週水曜、5月20日(木)正式サービスを宣言し、大型アップデートを準備してます。
内容については来週月曜、「STING」GMブログなどをご確認頂きたいです。
WeMade広報部: わかりました。本日はここまでです。ありがとうございました!
詳しくは新生オンラインFPS「STING」ブログをご確認ください。
こちら⇒ http://fpsting.blog103.fc2.com/