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『ZOWIE GEAR』 Vincent Tang 氏に開発中のゲーミングデバイスについてインタビューを実施

ZOWIE GEAR
ゲーミングデバイスブランド『ZOWIE GEAR』 Vincent Tang 氏、Kevin Cho 氏に直接お会いし、現在開発中である最新のゲーミングデバイスなどについてインタビューを行いました。

インタビューは日本の正規代理店であるマスタードシード株式会社で行われました。

インタビュー参加者

  • Vincent Tang 氏 (ZOWIE GEAR CEO)
  • Kevin Cho 氏 (ZOWIE GEAR アジアマーケティングディレクター)
  • 張 氏(通訳、マスタードギガ株式会社)
  • 高橋氏(マスタードシード株式会社)

インタビューは、サイトで募集した質問に答えていただくというような形で進められ、主に Vincent 氏が回答してくださいました。

Yossy: はじめましてそれぞれ自己紹介をおねがいします。

Vincent & Kevin

左:Kevin氏、右:Vincent氏

Vincent氏: ZOWIE GEAR の Vincent Tang です。
以前は開発の責任者でしたが、現在は CEO を務めています。
Kevin氏アジアのマーケティングを担当している Kevin Cho です。よろしくお願いいたします。

Yossy: 今回来日された理由は?
Vincent氏: 日本のオンラインゲーム会社とビジネスの打ち合わせをしにやってきました。
まだタイトルを明らかには出来ませんが、実現すれば日本のオンラインゲームとコラボしてイベントを行ったり、公認デバイスとして ZOWIE GEAR の製品を採用していただく事になるのではないかと思います。
これによって、日本のみなさんに ZOWIE GEAR の製品を知ってもらったり使っていただけたりするようになるでしょうね。

Yossy: 日本のゲーマーのみなさんからたくさんの質問をいただいているので順次質問させていただきます。まずは、Vincent さんがどういう経緯で ZOWIE GEAR に参加することになったのか教えていただいてもよろしいですか?
Vincent氏: ご存じかもしれませんが、以前もデバイスを開発する仕事をしていました。
自分が 100% 満足する製品を作りたいと思うようになり職を離れました。
こちらの Kevin がゲーム業界に知り合いが多く、アメリカでゲーミングデバイスのニーズがあるということでしばらくは彼を通じて製品の紹介などをしていました。

CO/GENES
そして、その後に最初に私が作った製品が CO/GENES のゲーミングバッグです。
まだ日本では発売されていませんが、そのうち発売されるようになるでしょう。
本当にいい製品だと思っています。

その間に様々なゲーミングデバイスの会社に誘われたのですが、自分の思いを一番形にしやすいと思う ZOWIE GEAR で開発に専念するようになりました。

ZOWIE GEAR × Negitaku.org
Yossy: サイトの 7 周年記念に限定のマウスパッドを 100 枚もいただきましたね。本当にビックリしましたし、感激しました。なぜ、マウスパッドを Negitaku.org のために作ってくれたのでしょうか?
Vincent氏: 日本の eスポーツサイトということで、以前から Negitaku.org には注目していました。
サイトのメンバーが 4,000 人くらいの頃からチェックしていましたよ。
今は、8,000 人を超えてだんだんと eスポーツや FPS に興味を持つ人が増えてきましたね。素晴らしいことだと思います。

現在、eスポーツのマーケットはとても小さなものですが、私たちはこのマーケットを大きくしていきたいと考えています。
そこで、できる限りのサポートを行いたい。
サポートしないと、小さなものなので無くなってしまうかもしれないですからね。

Negitaku.org は 7 年もサイトを続けているという情念に感銘しましたし、日本のみなさんに ZOWIE GEAR の製品を知ってもらう場合に、こちらのサイトをご覧になっているみなさんは最も製品の良さを理解してもらえる方々だと思いました。
そこで、マウスパッドを提供させていただく事にしたのです。

Yossy: HeatoN 選手や SpawN 選手と契約をしたり、海外チームのスポンサードのリリースなどをよく見かけます。今後も様々なチームをサポートしていくつもりですか?
SpawN and HeatoN
Vincent氏: もちろんしていくつもりです。
今月には中国で『World Cyber Games』の Grand Final が開催されますね。
そこには各国の有力な選手が沢山出場しますので、その際にはヨーロッパや各地域の選手に声をかけるつもりですよ。

日本でも、以前に Team Speeder が海外の大会に出場したときには ZOWIE GEAR の製品を提供させていただきました。

日本にも良いチームがあったら是非紹介してください。
サポートするためのお話を出来たらと思っています。

Yossy: スポンサードするための条件はあるのでしょうか?
Ultimax Gaming
Vincent氏: 今のところ、決まった条件というのはないです。
一つの例として申し上げると、ZOWIE GEAR は台湾の Ultimax Gaming を 3 年間サポートしています。
最初の 2 年間はデバイス提供のサポートのみでしたが、その間にお互い信頼を深め 3 年目にして金銭的なサポートを開始するようになりました。
今年は国際大会に 2 回ほど出場しましたがそれらのサポートもしています。

すぐにはというわけにはいきませんが、そのような形で信頼関係を深めてサポートしていきたいと考えています。
成績というのはあまり重視していなくて、やはり熱意や情熱がありそれに応えてえてあげたいというチームや選手のサポートをしたいですね。

あなたのサイトもそういった例の一つで、7 年間もゲームや eスポーツを紹介していることに情熱を感じたから限定版のマウスパッドをつくらせていただいたわけです。
ですから、そういったものを伝えてもらえれば出来る限り力にはなりたいと思っていますよ。

Yossy: マウスパッド、マウス、キーボードなどの新製品に関する質問をかなりいただいています。これらについてお聞かせいただけますか?
Vincent氏: ZOWIE GEAR は現在、マウス、パッド、キーボード、ヘッドセットなどの開発を考えています。

重要なポイントとして、FPS 用、RTS 用などゲームに合わせたデバイスを展開していく予定です。
マウス、キーボード、ヘッドセットなどがこれにあたりますね。
マウスパッドについてはプレーヤーの感覚による部分が多いので、どのゲーム用という風にはわけないつもりです。

Yossy: マウスパッドの素材など具体的な部分について教えていただけますか?
Vincent氏: SpawN 選手や HeatoN 選手が開発に参加することを発表させていただいてから、ZOWIE GEAR は非常に注目されるようになり、これから何をリリースするかということは良く聞かれます。
彼らには、これまでプロフェッショナルゲーマーとして活動してきた豊富な経験があり、そこから得た感覚やニーズというものを共に商品として形にしていくことになります。

ですから、素材については特に限定しません。
SpawN シリーズ、HeatoN シリーズというような形でとにかく良い製品を出していくつもりです。

彼らのシリーズを冠した製品というのは、単に名前を借りただけではなく彼ら実際の声を聞いて作り上げた彼ら専用のデバイスといっても良いものです。

彼らのデモや大会の動画などをみて、操作の方法やスタイルをマネたりするでしょう?
デバイス選びも彼らのものを参考にしたりして、自身の感覚に合うものを探して使ってほしいと思います。

ZOWIE GEAR G-TF
SpawN 選手は以前はプラスチック以外は決して使いませんでしたが、いまでは自身も開発に携わった布パッドも使うようになりました。
このように、ゲーマーの感覚というものは一定ではなくて、変化していくものなのです。

いまはパーフェクトかもしれないけど、将来的にはそうではなくなるかもしれない。
しかし、それを超えるもっとすごいものができるかもしれない。
求められるニーズに対してパーフェクトなものを作っていきたい。
少し欠点があっても、それらを克服するような形でもの作りをしていきたい。

私たちは『Strive for Perfection(パーフェクトを目指してがんばろう)』というコピーを掲げています。
ゲーマーの要望に応えて将来的にはもっともっといいものを出すよう努力していきますよ。

Yossy: マウスについてはいかがでしょうか?過去のインタビューで、シンプルなものを作りたいとおっしゃっていました。
Vincent氏: eスポーツプレーヤーのマウスの使い方は一般の人とは違います。
一般の人は機能を求めますが、プレーヤーは性能を求めるのです。

多すぎるボタンや機能はゲーム中の誤動作の原因となります。
ですから、マウスにはドライバなどもつけないつもりですよ。

機能を追求した結果、あってはならないことですが eスポーツの試合中にマウスが壊れたとしましょう。
複雑な設定を必要とするマウスだった場合、元の設定に戻すのは非常に困難です。
予備のマウスがあったとしても、設定を調整しなくてはならず制限時間内に同じ環境に戻すことが出来ないかもしれない。
ZOWIE GEAR が開発中のマウスは PC に刺したら終わりというシンプルな構成になるので、このような場合にも対処できるようになります。

Yossy: センサーについてはどうでしょうか?安定ということを考えるとやはりオプティカルセンサーを採用しますか?
Vincent氏: そうですね。レーザーセンサーは考えていません。
現在ベストだと思っているオプティカルセンサーで開発をすすめています。
レーザーセンサーはスペック表記的には素晴らしいので、一般的にはオプティカルセンサーより高く評価される傾向にありますが、eスポーツという観点からは安定して優れているのはオプティカルセンサーです。

eスポーツで使用するマウスには安定しており壊れにくいことが必要だと考えています。
ZOWIE GEAR のターゲットは eスポーツプレーヤーなので、やはりオプティカルを選択することになります。

わかっていただくまでは時間がかかるかもしれませんが、使っていただくうちにその良さが理解してもらえるのではないかと思います。

Yossy: マウスのリリース次期はどうでしょうか?今年中の目標ですか?
Vincent
Vincent氏: 正直、なんともいえないですね(笑)。
5 月の段階で製品のモックを公開させていただきましたが、11 月になった現在も角度の調整など非常に細かなところを詰める作業を行っており、量産体制には移行できていません。
調整を行なったらテストを行なわなくてはならないのでどうしても時間がかかってしまいます。
完全に納得がいくまで出さないつもりですから、リリース時期については明言できませんね。

ZOWIE GEAR はまだ新しいブランドですから、追求して良い製品を作らなくてはなりません。
他社に比べると高いものになるかもしれませんが、その価格に対して満足のいく性能のものを提供するつもりです。

録音を切って、写真を撮らないということであれば特別にサンプルをお見せしますよ。約束できますか?
それでは、インタビューの最後にお見せしましょう。楽しみにしていて下さい。

(5 月のモック写真を見ながら)現在は、もう少し卵形になっているかな?まあ、実物を見ていただくのがよいでしょうね。

Yossy: プロからリクエストされたものについて、特別にカスタマイズした製品も作っていくというお話がありました。プロからはどのようなリクエストがあるのでしょうか。
Vincent氏: プロからのリクエストはマウスパッドで言うと、もう少し早くとか滑りやすくという細かな感覚によるものが多いですね。
PC だったら何ギガ性能をアップしてという風に数字で出てくるので簡単なのですが、マウスパッドでのこういった感覚を形にするのは非常に難しいですね。
しかし、それらのリクエストに応えられるような完成度の高いものを提供できるようにがんばっていますよ。

Yossy: ZOWIE GEAR の製品に興味を持って購入したいのだが、近所では売っていないという意見があります。アマゾンや量販店での展開については検討していますか?
マスタードシード高橋氏: アマゾンさんビックカメラさんヨドバシさん、エディオンさん、など全国に販売網を持つ量販店さんが対象になると思いますが、それらを導入してもらう条件にはいろいろあって、こちらからお願いしても並べてもらえないというようなこともあります。

とりあえずは現在導入していただいているお店でネット通販に対応しているところもありますので、まずそちらで成功して製品の良さを理解してもらうことから始めています。
そして最終的には大きなお店でも取り扱っていただけるように展開していきたいと考えています。

海外では通販がメインになってきていますが、日本ではやはり実物を触りたいですとか、近くの安心で信頼のあるお店で買いたいといニーズの方が大きい状態ですね。

実現できるように努力していきますので、いましばらく時間をいただきたいとおもいます。

Yossy: プロダクトのネーミングがわかりにくいんだけど…という意見がありました。ネーミングの規則や理由について教えて下さい。
ZOWIE GEAR
Vincent氏: なるほど。
マウスパッドの記号は、それぞれ製品の特徴をあらわしています
例えば、G は『Gaming』、P は『PC』、N は『Notebook』ですね。
RF は『Rough』の発音からきています。
SpawN 選手の TF シリーズは、布とプラスチックのような 2 つの顔を持つことから『Two Faces』の略になっています。
Hammer は頑丈なものをイメージしてほしくて、そのような名前にしました。
これで少しはわかりやすくなるのではないでしょうか?

Yossy: マウスの名前は決めましたか?
Vincent氏: まだですね。悩んでいますよ(笑)

Yossy: それでは、キーボードについてもお聞かせ下さい。
Vincent氏: 私は以前にはじめてゲーミング専用のメカニカルキーボードを導入しました。
その時は、耐久性に特徴があるため採用したのですが、ZOWIE GEAR ではメンブレンキーボードを作ります。

選手の個性や使い方に製品を合わせるのではなく、キーの高さや固さ変えたいくつかのラインナップを用意し、選手に合わせてもらう・好きになってもらうというような考え方で開発するつもりです。

Yossy: Realforce はご存じですか?日本のゲーマーに非常に人気のある製品で、コチラが採用している静電容量無接点方式のキーボード展開についての質問が来ています。
Vincent氏: Realforce は存じ上げていますよ。
素晴らしい製品であるのはわかっていますが、コスト的なことを考えると採用するのは現状では難しいですね。
メンブレンの方がコストが安くなりますし。
最初はメンブレンで性能が良く長く使ってもらえるようなものを考えています。

Yossy: 最初は英語キーボードですか?日本語キーボードの予定は作る予定ですか?
Vincent氏: そうなるでしょうね。
英語キーボードからはじめて、徐々に各国に対応したものを出していきたいと考えています。

マスタードシード高橋氏: 日本語ゲーミングキーボードを作ると大量に在庫を抱えることになりますが、代理店としてもちろんやりたいと思っています。
以前他社の日本語版ゲーミングキーボードを実現した経緯があります。
日本語でないと普通の方には使いにくいですし、がんばりますよ。

ZOWIE GEAR WEB
Yossy: ZOWIE GEAR の公式サイトがリニューアルされましたね。今後、日本語版公式サイトの公開予定はありますか?
Vincent氏: 以前のシステムでは難しかったのですが、新しいシステムでは多言語対応が可能になりました。
残念ながら ZOWIE GEAR のスタッフには日本語を出来るものがいないので、高橋さんにがんばってもらおうと思います。よろしくおねがいしますね(笑)

Yossy: ゲーミングデバイスにはマウスやキーボード以外にアーケードスティックやコントローラーなどもあると思います。これらの予定は?
Vincent氏: 現在は私の専門であるマウス・キーボード・マウスパッド・ヘッドセットなどに専念していきます。
将来的にこれらが成功して会社が大きくなったら、それらの専門家を雇うなどして実現するかもしれませんね。

Yossy: 現役のプロゲーマーと開発するような予定は?
Vincent氏: うーん…(苦笑しながら)。
残念ながらお答えできませんが、SpawN 選手や HeatoN 選手と契約したということは、次に契約する選手は彼らと同等かそれ以上でなければならないということですよ。
現役で該当する選手というと、限られてくるでしょう?ご想像にお任せしますよ。
簡単に答えがわかっては面白くないですからね。
海外のフォーラムでは、あと 3 人契約して Team ZOWIE GEAR が結成されるんじゃないかという噂もありますね。

答えはそのうちわかるでしょう。

Yossy: いろいろと質問に答えていただいてありがとうございました。最後にこのインタビューをご覧になっている日本のゲーマーのみなさんにメッセージをおねがいします。
Vincent氏: 日本のみなさん、是非 ZOWIE GEAR の使っていただいて、ご意見やご指摘などフィードバックをおくって下さい。
パーフェクトなものはないと思っているので、どんな些細なことでもかまいません。
決して怒りませんから正直な意見を聞きたいと思っています。
これからもよろしくお願いいたします。

Yossy: ありがとうございました
Vincent氏: それでは、IC レコーダーをオフにしてカメラをしまって下さい。
お待ちかねのマウスをお見せしますよ。
Kevin、マウスを出してくれる?

Kevin
Kevin氏: えーと、マウスは…。あ!ホテルの部屋に置いてきてしまった

Yossy: えっ!

Kevin氏: 無くしたら大変かと思って…。申し訳ないですが発表までお待ち下さい。

Yossy: ……。期待しています…!


ということで最後のお楽しみとしてひっぱられたマウスのプロトタイプ版は残念ながら見ることは出来ませんでした。

最後に写真撮影をお願いする時に「製品を持ったりしなくて大丈夫ですか?」とおたずねしたところ「僕らは特定製品の宣伝をする目的で来たわけではなく、インタビューに答えに来たのですから、製品は持つ必要ないですよ。いい記事を書いてくれればそれで満足ですよ」と格好良すぎる回答をいただきました。

インタビューにご協力いただいたみなさんありがとうございました。
質問を実現できなかった方は申し訳ないです。

参考

この記事を書いた人
Negitaku.org 運営者(2002年より)。Counter-Strikeシリーズ、Dota 2が大好きです。 じゃがいも、誤字脱字を見つけるのが苦手です。

https://twitter.com/YossyFPS/
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コメント (0)
  1. teacup-dog より:

    GoGo ZOWIE GEAR !!

  2. MatsU より:

    ZOWIEさんはすごく期待しているメーカーです
    パーフェクトデバイスの開発、頑張ってください!

    G-TFがプラ系パッドだったら即買いだったんですが(´・ω・`)

  3. anaron:P より:

    SteelSeriesやRazerにはガッカリしたけど、Zowieには今のところまだガッカリはしてないので、今後に期待してます。

  4. viNez より:

    おちゃめ

  5. mishima2006 より:

    安価なメンブレンキーボードでの殴り込みに期待ですかね。
    私はHHKBが手放せないですけど。

  6. Taro<3 YUI _Razer** より:

    これからはZOWIEの時代になりそう

  7. Yamada_UC より:

    4亀もインタビューしてますね。

  8. chon より:

    安価Nキーロールオーバーで売れますZowieGearさん

  9. takaaki より:

    アッキーナのマウスパッドだせば売れる。
    間違いなく需要はある。