ゲーミングマウスパッド『Razer Sphex』のレビューです。
こちらの製品は、以前紹介した『Razer Megalodon 7.1 Surround Sound Gaming Headset』と一緒に Razer Store から購入したもので、日本での発売については現在のところ未定のものです。
日本での発売が決定しました
『Razer Sphex』は、「Gaming Grade Desktop Skin」と公式サイトで紹介されており、デスクに貼り付けるという独特の方法で使用することになります。
Razer の社長 Robert “Razerguy” Krakoff 氏は製品の発表時に「よりシンプルでそれほど高価でないにも関わらず、伝統的なゲーミングマウスパッドに匹敵する極度の精度と滑らかで一貫した滑りを持つマウスパッドの代替をゲーマーに提供したかったのです」とコメントしており、既存のゲーミングマウスパッドとは一線を画す製品となっています。
それでは『Razer Sphex』について紹介していきます。
Razer Sphex のパッケージ、中身、製品の外観など。
まずはパッケージから。紙製のパッケージがビニールでラッピングされています。
パッゲージの裏面には、以下のような日本語の製品解説が書かれています。
日本語解説が書かれているので、今後日本でもリリースされる可能性が高そうです。
比較用に SteelSeries Ikari Optical を置いてみました。
表面はほんの少しざらつきがあるような感じです。
裏面の粘着素材部分はシールで保護されています。
こちらのシールを下記のように剥がして使用します。
この作業を行なう際には細心の注意が必要です。
何も意識せず思いっきりシールを剥がしたところ、下記の画像のように粘着素材が剥がれてしまいました。
どのような表面にも張り付く、ということで木目テーブル、コルクシート、プラスチック板など様々な素材に張り付けてみました。
表示に偽りはなく、たしかにどの素材でも利用可能です。
試しに、以下のように収納扉に張り付けてみましたがピッタリとくっついて剥がれませんでした。
続いて、スペックや素材について紹介していきます。
Razer Sphex は前述したとおり横 320mm ×縦 230mm というサイズですが、厚さは公式スペックとして記載されていません。
定規で測ってみましたが画像のを見てのとおり、ミリ単位を下回る薄さで正確な数値は分かりません。
目測でおよそ 0.1 ~ 0.2mm というところです。
→電子ノギスで計測したところ 0.25mm でした
材質についても公式発表はされていません。
具体的に例えるのが難しいのですが、かなり柔らかな文具の下敷きを思い浮かべてもらうとよいでしょうか。
画像のようにかなりペラペラで途中に支えがある場合はだらりとした感じになります。
また、くるりと丸めることも可能ですが、このようなことをする際に折り曲げ傷がついてしまうとその部分は元に戻らなくなります。
Razer Sphex の裏面の粘着度はどのくらい持続するのだろう?という疑問があったのでテストを行ないました
テスト方法は単純で、以下のとおりです。
この単純作業を 1,000 回繰り返してみました。
1,000 回終わった後に、壁に貼り付けて 15 秒ほど経ったのが以下の状態です。
100 回ごとに同様に壁に貼り付けましたが一様に粘着性を持続していました。
1,000 回も剥がして使うようなケースはなかなか想定しにくいので、通常利用の範囲であれば問題なく使用を続けられるレベルでしょうか。
しかし、いくつかの注意が必要となります。
上記のとおり、粘着性はそれなりに持続されますが、使い方が製品の寿命にかなりの影響を与えます。
まず、1,000 回のテストを行なった後の裏面は以下のようになります。
拡大してもらえるとよくわかりますが、埃やゴミなどが付着していたり、粘着膜がはがれている部分があります。
Razer Sphex は前述したとおり 0.1 ~ 0.2 0.25 ミリという極薄のパッドです。
そのため、わずかな埃やゴミがくっつくだけで表面に凹凸が現れてしまいます。
Razer Sphex を貼り付ける前には、貼り付けるスペースから埃やゴミなどを徹底的に取り除く必要があります。
見出しのような疑問符が付いた理由を説明する前に、以下の画像をご覧下さい。
汚い話で申し訳ないですが、これはプレー中に出た汗が染みこんだものです。
最初は汗が付いたばかりでこのような状態なのかと思いましたが、ゲームを止めて数時間放置した後でも同じ状態でした。
その後、製品を水洗いをして自然乾燥させたところ、表面はきれいになりましたが汗などは洗わなければ落ちずにそのままという可能性があるので、良い環境を維持しにくいかもしれません。
また、水洗いする際に裏面に付いた埃などをこすり取ろうとすると、粘着膜自体が次々にはがれていってしまうため注意が必要です。
ハードタイプに分類されているパッドだけに滑りはかなり良好です。
$14.99 でこんなにも滑って良いのだろうか、というのがファーストインプレッションでした。
所有する SteelSeries Ikari Optical、DHARMA TACTICAL MOUSE (DRTCM02)、IntelliMouse Optical といった光学式マウスでは問題ありませんでした。
Laser センサーマウスは持っていないため検証はできなかったのですが、Razer が公式にレーザー対応パッドと記載しているので、少なくとも Razer のゲーミングマウスは対応しているでしょう。
パッド自体が薄いため、土台となる素材が使用感に影響します。
平らな木製デスクでは特に違和感を感じませんでしたが、柔らかさがあり若干の凹凸があるコルクシート上では、その高低差がそのままパッドにも反映されて aiming 時に引っかかりを感じました。
個人的におもしろいと思った使い方は、Razer Sphex の驚異的な薄さを利用して他のゲーミングマウスパッドの上に重ねて使用するというものです。
例えば、厚めの布系パッドと使用することで吸収性のある Razer Sphex として使用することが出来ます。
プラスチック系パッドを使えば土台が安定し表面が均一な Razer Sphex になります。
Razer Sphex はこれまでのゲーミングマウスパッドにはない構造・材質で作られており、非常にチャレンジングな製品である点は非常に評価できます。
公式サイトでの価格が $14.99 と非常に安価ながら、マウスパッドとしての性能は値段以上のものであると思います。
ただ、これまでに書いたとおりメンテナンスや取り扱いが面倒であること、使用環境が良くないとマウスパッドに悪影響を与えることなどを考えると使い勝手の面では減点せざるを得ません。
Razer Sphex は、初心者ユーザーがゲーミングマウスパッドを体験する入門パッドとしてのリストに選択肢として入れても差し支えない性能・価格かと思います。
しかし、それなりのパッドを使いプレーをしているプレーヤーがあえて買い換えてまで使用するメリットはなさそうです。
出先に持って行きそれなりの環境で使用したいという人には良いかもしれません。
価格と性能のバランスを考えるとなかなかのコストパフォーマンスなので、評価としては 8 点台をつけたいところです。
しかし、ゲーミングデバイスして総合的に判断すると、取り扱いの不備で著しくパワーダウンしてしまう可能性がある点を考えると、個人的には以下のような点数が妥当なのかと思います。
Razer Sphex 7.5/10
検証お疲れ様です。
1000回剥がしても、まだ壁に張り付くってのは凄いですね。
これはHeatoNパッドと悩むな…
HeatoNの方はいつ発売するのだろうかw
ハードタイプは高価な製品が多いのですが、
短いスパンでこれを使っていくというのも手かも。
高いパッドも表面は確実に摩耗するでしょうし。
ちなみに布系は洗うとから拭きしたり干したりと一苦労ですが、
ハードタイプは毎日でもさっと汚れを拭き取ったり洗ったりできるので
むしろ一定のコンディションを保ちやすいですよ。
#スパイダーマンスタイルあほすぎるw
1000回…。
さすが、根気が違いますね。
Icematの上に貼って使えばいいのかな?